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獅子たちはノアの方舟で―B‐EDGE AGE / 桜庭一樹

2013.12.05 Thu 19:16

続編。
前作がゲームノベルみたいな感じだったのに比べて今作はかなりミステリ小説だなぁと感じた(相変わらず失礼なことを言っています。
…と思っていたら、そうか、桜庭さんてデビュー前に別名義でゲームシナリオを書いていたんだっけ…と思い出してなんだか腑に落ちた。

このシリーズ、未完ですが2冊でおしまいです。富士見ミステリー文庫のリニューアルに伴い打ち切り、となったそうです。残念。
今回はWP(ウォーターパーソナリティ)障害という、ボーダーの一種とされている架空(だと思われる)パーソナリティ障害が出てきます。
これは、その場その場で人格が変わってしまうかのように異業で成功したり、更に過去の自分のキャラクターを忘れ去ってしまうという精神疾患らしいです。
このへんが、架空であるにも関わらずリアルですごいなぁと思ってしまったり。過去を思い出す際に人格が揺れ動く感じは今の著者だったらもっと魅力的に描くんだろうと思ったり。
キャラクターも増えて、更に濃いキャラクターの勅使河原がいい味を出しているし、失墜しそうになっている花枝刑事もさらに深くなっており、かなり良いです。
《ゴッド》もすこし出てきて、これから更に展開していって面白くなるだろうというところだったので、続きがないのは非常に残念です。

ただ、この作品があったからこそGOSICKが生まれたのだろうなと思わされる部分は多々あって、前作ただの弱々しい高校生のようだった主人公の美弥古は今回前向きになり、久城と同じようなキャラクターになっているし、花枝あたりはブロワ警部を思わせる何かがある。
決定的な違いは華やかさで、GOSICKではヴィクトリカという魅力の塊のようなキャラがいるのに、こちらではヒロインは幼なじみでやや地味。どっちかというとアブリル的。
ただ、世界観はGOSICKの大戦前のヨーロッパに対し、こちらは『東京だけど世界線がちがう』みたいな場所で親しみやすくはあるかなぁ。
ただ、書店で見かけて手に取るかと言われれば、私は作家買いじゃなければ取らないと思うし(こちらはどっちかというと腐女子ウケしそうな表紙だなとは思う)、書店で見かけて表紙買いしたGOSICKを思うとそのへんの差は大きいのかも…と思っちゃったりする。

ただ、こうして読んでみたあとで、今のわたしが両方のシリーズを並べ置かれて『どっちの続きが読みたい?』と訊かれたら、こっちを選ぶかもしれないと思うくらい、好みの作品です。本当に未完が残念ですが、今あらためて続編を出して欲しいか?と問われると「うーん?」と思ったりもする。当時の続編が存在していたのなら是非読みたい。

……なんか、すごく失礼なことをいっぱい書いたけれど、それくらい面白かったということです。

ちょっと富士見ミステリー文庫の話。
このレーベルが刊行された頃(2000年)、私は結構この手のノベルスを読んでいました。
ラジオが好きで『電撃大賞』を好んで聴いていたこともあり、電撃文庫が多かったかな。ブギーポップシリーズとか途中まで読んでました。
なので、富士見ミステリー文庫が刊行された時って、すごく覚えています。『フォーチュンクエスト』やらで有名な深沢美潮さんがミステリーを書いてる!?っていうことに驚いた記憶があります。
でも、書店で手にとってみたけど買わなかった。当時の私は、殺人事件が起きたりするミステリーは苦手だったのでした。

そして、いつの間にかリニューアルされていることも知らず、表紙の絵の可愛らしさに惹かれて中身を大して確認せずに買ったのがGOSICKだったわけで。秋葉原の書泉で買ったのをすごく覚えてる。
内容は最初、主人公が犯人だと疑われたりするのが読んでてすごく苦痛で(のび太くん的なものが苦手なので)、でも面白い…かなぁと思いながら読んでたら、あとがきでハマってしまい、シリーズが出る度に買って読んでた。
桜庭さんの作品は他に読んでいなくて、しばらくして一般で出た『少女には向かない職業』を読んで、すごく怖くて軽くトラウマになりずーっと買ってなかったのでした。
その後、WEBサイトがあるのを知って、あとがきは好きだし日記も面白かったので読んでたら、エッセイが出るらしいことを知って、それを読んでたらいろんな本が紹介されていて、本を読むこと自体に興味が湧いたりして、その頃出てた青年のための読書クラブは読めそう…と思って読んで…ほかも読みたくなって…という感じで今に至る。
そんな感じで、その頃に読んだ少女七竈と七人の可愛そうな大人とか推定少女なんかは今読んだら全然印象が違うんだろうなぁ。読んでいた時はイマイチ話についていけない感じもあったので。

とまぁ、ちょっと振り返ってみた。

そんなこんなで前回手に入れる策をねっていた未読の『AD2015隔離都市―ロンリネス・ガーディアン』『君の歌は僕の歌―Girl’s guard』『竹田くんの恋人―ワールズエンド・フェアリーテイル』の3冊は無事古書で手に入れて、今家に積んで寝かせてます。デビュー作のAD2015隔離都市は、古書だけどカバーに傷一つ無いような「どこの倉庫で売られずに眠ってたのさ!?」みたいな状態の本が家に届けられて、かなりびっくりしました。あと、スニーカー文庫でも1冊出しててそれも意外でしたとさ。

面白い作品に出会えて今とても幸せです。
これからも良い作品に出会えますように☆

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