アメトークの読書芸人を偶然見ました。
本も好きだし、私は本好きの人の話もものすごく好きなので、楽しく見てしまいました。

影響されて、わたしも10冊選ぼう! と思って、深夜に本棚をゴソゴソを漁って抜き出してみたら11冊になっちゃいました。
せっかくなので紹介してみよう! と思います。

150618-1

海外小説

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている…。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。

ちなみに、さよなら絶望放送第6回のサブタイトル『ずっとお部屋で暮らしてる』の元ネタがこの作品。
読んだ直後の感想

どうしてこんなことになってしまったんだろう? 春までは、受験も遠い第四学級生として控え目な青春を送っていた。それが今、この日盛りの街をゆく自分は、マタニティ・ウェアをつけ、人々の好奇のまなざしを浴びている。しかも、ふくれたおなかの中に赤ん坊の姿はなく、ぶざまに詰め物がしてあるだけなんて…。十五歳の少女が体験した、ある夏の物語。鮮やかなサスペンス。

読んだ直後の感想

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た―この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり…。

読んだ直後の感想。上巻下巻

現代の名匠による衝撃の結末は世界中の読者の感動を呼び、小説愛好家たちを唸らせた。究極のラブストーリーとして、現代文学の到達点として―。始まりは1935年、イギリス地方旧家。タリス家の末娘ブライオニーは、最愛の兄のために劇の上演を準備していた。じれったいほど優美に、精緻に描かれる時間の果てに、13歳の少女が目撃した光景とは。傑作の名に恥じぬ、著者代表作の開幕。

桜庭一樹さんの読書日記に載ってたのがきっかけで読んだ、初マキューアン。あまりの変態的な描写に圧倒され、すっかりファンになった。現役の海外の作家さんの本を読んでいるのは唯一なんじゃないかなと思う。
読んだ直後の感想。上巻下巻

国内小説

著者 : 桜庭一樹
文藝春秋
発売日 : 2008-05-28

恋愛小説家の父をもつ山野内荒野。ようやく恋のしっぽをつかまえた。人がやってきては去っていき、またやってくる鎌倉の家。うつろい行く季節の中で、少女は大人になっていく。

桜庭一樹さんの作品から1冊、と思った時に選んだのがこれ。どの作品も好きですが、よく話題に上がる『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』よりも、私はこの『荒野』のほうがリアルでほんわり甘くて苦くて好きなのです。
読んだ直後の感想 文庫単行本

著者 : 米澤穂信
新潮社
発売日 : 2014-03-20

人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。

日本の小説は作家読みがほとんどなので、米澤さんからは満願を。短篇集ですが、どれもとても重く色々思うところが深いです。
読んだ直後の感想。

遊女屋の愛娘ゆうは大勢の花魁や男衆の中で、華やかな郭の裏も表も見て育った。ある日、芝居見物に出かけたゆうは升席にいる男を見て衝撃を受ける。5年前、雑踏で途方にくれていたゆうを救い、優しさで包み込んでくれた旅役者だった。一緒になれるなら滅びでもいい―そう心に刻んだ幼い日の記憶を頼りに、無名の役者に縋りついていく女の情念の世界を描く直木賞受賞作。

吉原が舞台になっており、最初そちらの用語に馴染めなくて読めず、1年くらい積んでようやく読めた本。
馴染んでしまえば面白く、ページを捲る手が止まらないというのはまさにこのことかなと思った。『開かせていただき光栄です』とどちらか悩んでこちらを選んでみた。絶版なので、この復刊の波に乗ってくれないかなと願っている1冊。
読んだ直後の感想。

交通事故で記憶を喪った未紀が、事故前に綴っていたノート。そこには「パパ」を異性として恋した少女の、妖しく狂おしい陶酔が濃密に描かれていた。ノートを託された未紀の婚約者Kは、内容の真偽を確かめようとするが…。「パパ」と未紀、未紀とK、Kとその姉L。禁忌を孕んだ三つの関係の中で、「聖性」と「悪」という、愛の二つの貌が残酷なまでに浮かび上がる。美しく危険な物語。

思えば一番うつが重かった頃に読んだ本。難しく汚れていて後味も悪かったけど美しくて、浸れる何かがあった。
ここから、学生運動のあった時代に興味を持ち『二十歳の原点』を読んだりしました。
読んだ直後の感想。

KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2014-11-21

森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは……。耽美と幻想に彩られた美しき謎解き!

最近読んだ中では一番の衝撃作だった。知ったのはネットだったけど、本屋で見かけてどうしても買わずにいられなくなって手にとった。前情報なしにいろんな人に読んでほしいと思った。
読んだ直後の感想。

京都、下鴨―。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい、祖母のおさがりの着物で過ごす。そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう!すると、次々に不思議なことが起こって…!?

集英社オレンジ文庫創刊の中の1冊。オレンジ文庫は最近のレーベル創刊ラッシュの中でも恋愛に重きをおいている印象で、嫌な気持ちにならずに読めるので気に入っています。こちらもほんわかとした可愛らしいお話。
読んだ直後の感想。

統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護師。突然赤ちゃんを身籠った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた…?頭脳明晰、博覧強記の天才女医・天久鷹央が解き明かす新感覚メディカル・ミステリー。

カフェものやらの日常の謎系ミステリのブームの中で出てきた医療ミステリのこちら。
キャラが立ってる部分は昨今の流行りでありながら病院が舞台。作者さんは現役のお医者さんだそうで、出てくる話もちょっとリアルな気がして、本当に面白かった。個人的に、病院が舞台だとなると『白い巨塔』みたいな重たいもののイメージが先行していたんだけど、それをいい意味でぶち破ってくれたなぁと思う。
読んだ直後の感想。

こんな11冊を選んでみた。
これからもいっぱいの本を読みたいな。
どれだけ読めるかな……