読書メーターのランキングを月1くらいでチェックして、どんな本が売れてて読まれているのか、ある程度知っておいて読めるものは読もうとしています。結構な割合で『登場人物が死んじゃって悲しいでしょう?ほら泣いて泣いて!!』みたいな本に遭遇して、がっかりすることが多いんですけど(笑) 個人的にですが、そういう話では泣けないし、顛末がある程度読めちゃってるから途中が退屈という事が多いです。

1年以上前になりますが、この『その女アレックス』が上位にずっと居て気になっていました。
で、図書館の予約数を見たら100件超え。ページ数も457P、ましてや翻訳モノということで2週間で読むのがひょっとして厳しいかもしれないと思って購入しました。
買ったのはいいけれど、表紙からしてなんだか嫌な感じがする(物置みたいな部屋で赤毛の女性が縛られてる)ので、なんだかんだ読めずに放置。

この度、図書館の予約受け取りラッシュが一段落したのと、読んだ本の流れ的にもうちょっと重いものを読みたいと思ったこともあり、ようやくページをめくり始めました。
5月に入ってすぐに最初のあたりを読み始め。アレックスという女性の日常みたいなところからスタート。
ふんふん……その後すぐにヴェルーヴェン警部の話に飛んで、なんだかつらい過去を抱えたおっさんの話になってちょっと面倒になってきた。

この二人の語りが半分以上過ぎまで交互に続きます。

途中、図書館で借りた別の本をすこしはさんでの続き。
40Pくらいまではあんまり内容も入ってこなくて全然進まずに居たんですが、その先の展開が面白くて2日くらいで読了となりました。
ところで、途中まで実はアメリカの話だと思って読んでましたが、アレックスが引っ越し好きだというエピソードあたりでパリが舞台だと気が付きました。

調べてみたところ、この作家さんがフランスの方なんですね。
まぁ、国が違っていようが、土地勘が全く無いということには変わりなく、どのくらいの範囲の話なのかはさっぱりわかりませんでした。
誰かネタバレありで、地図作ってくれないだろうか…と思ったり。

何が言いたいかというと、すごく面白かったです。

勢いで『悲しみのイレーヌ』も買ったし。
ただ、話がけっこうグロテスクというかエグいので、血とかの描写が苦手な人は読めないかも。

アレックスが謎の男に誘拐されて、その捜査を担当することになったのがヴェルーヴェン警部なのですが、捜査が後手後手にまわる感じだとかが手に取るようにわかって、しかもそれだけじゃなくアレックスのイメージやら何やらが二転三転していく感じが良いです。あと、警察の人間のキャラも濃い。
翻訳も変な癖がなくて読みやすいです。

これ以上はネタバレになるので、本当に冒頭しか触れられないのが辛いくらい、すごく面白かった。
残念なのは、日本では『悲しみのイレーヌ』との発表順が反対になってて、この後読むのですが…結末がすでにわかっちゃってるところです。