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薔薇忌 / 皆川博子

2014.08.12 Tue 19:11

たまにじっくり時間をかけて読みたくなる皆川作品。
今回もゆっくりじっくり味わいました。

こちらは、芝居をモチーフにした幻想小説7篇の短篇集。
タイトルでもある「薔薇忌」では、狭い部屋に人を閉じ込め、天井から薔薇の葩を降らせて窒息させる刑というのが出てきて、印象に残りました。
こちらの短編、出だしは小劇場の本番が終わったところから始まっているので、私にとってはとても身近な世界観。
ほとんど関係者も捌けた劇場での会話から、話は過去へと向かう。

他の作品も歌舞伎だったり歌手だったりして時代は多少前後しつつ、語り手も色々とかわりながらも、どれもこれも華やかでありながら腐敗したような、鮮やかな世界観のストーリーでした。
発表年は80年代後半から90年といったところ。
私の感覚的には、生まれてはいるけれど子供だったせいでイマイチ現実味が薄くて、どれも夢みたいに読めました。

ちなみに解説によると、最初の刊行は1990年6月(実業之日本社)。次に1993年11月に文庫化(集英社文庫)に続く2度目の文庫化なのだそうな。

満願

2014.08.02 Sat 03:11

米澤穂信さんの短篇集『満願』やっと読み終わりました。
発売してまもなく買ったので、3月末……それからずっと寝かせていました。
一本目の夜警だけは確かすぐに読んで、その後は図書館の本を優先してたらこんなことに…あぁぁ。

米澤さんの作品は、古典部シリーズとか小市民シリーズは気楽に読めるんだけど、他の作品は割と時間がかかります。
というのも、どれもこれも中盤で怖くなっちゃうんですよね。だってどう考えたって結末が悲しい方に向かう予感がしてしまうんだもの。

今回は前途の通り「夜警」だけ読んで何ヶ月も積んでいて、今週になって他は読みました。

「夜警」
警官のもので、銃マニアの警察官やら出てきますが、警察官モノは、BL作品を色々読んでいるせいかそっちの印象で読んでしまってました。というか、具体的に崎谷はるひさんの白鷺シリーズを思い出してしまい…なんでだ? と思っているうちに読了。
「死人宿」
2年前に職場のパワハラで姿を消した元恋人の佐和子に会いに田舎の宿へ行った男。その宿は人が死にに来ることで有名な宿だった。そんな時、温泉の脱衣所に遺書の置き忘れを見つけた佐和子が、元恋人を改めて試すという内容。一番探偵物っぽい作品でしたが、結末があまりにも……。そう来る? って感じ。
「柘榴」
女心が描かれていますが、なんかちょっとなあと思ってしまいました。恋愛対象が被った時に、男は女に悪意が向かい、女はライバルの女に向かうとよく聞きますが……実際はどうなんでしょう? 私だったら……確実に自分に悪意が向いてしまうので共感はしなかったです(私が特殊か?)。
「万灯」
バングラデシュで資源開発の仕事に従事する男。現地の少数民族との諍いやある男を追って日本に久しぶりに帰国した時のあれこれ。
すごく怖かった。怖いんだけど、だからこそ読まずにいられない…という状態になった。当時のサラリーマンは、状況によってはそこまでするかもな…などと、命を削るように働いていた父を思い出したりもした。
「関守」
小説新潮に掲載された時のものを、昨年の夏に図書館で読んだ(文芸誌や小説誌のたぐいは高いので基本的に気になるのだけ図書館で読む)。その時の感想が以下。


オチはわかっているので、伏線を拾うような感じで再読しました。山間にたまに見かける感じの古いドライブインという感じで、懐かしさもあるのにこれ…。
一人ひとり、当時の詳細を事細かに記憶しているおばあさんがまず嫌だ。
「満願」
満願成就の後ろ向きの達磨。掛け軸。
殺人の刑期を終えて出所する女。その女の弁護士だった男は、かつて女の家で下宿をしていたことがあった。
裁判の時の様子と、下宿をしていた時の様子と、今が入り乱れてくる。
この短篇集のなかで一番好き。畳屋の跡継ぎで、最終的には肝硬変で死んだ女の夫、重治は妻に何を見ていたのか。

2014年7月読書まとめ

2014.07.31 Thu 23:55

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1775ページ
ナイス数:88ナイス

陽だまりの彼女 (新潮文庫)陽だまりの彼女 (新潮文庫)感想
読んでいる途中に突然『鶴の恩返し的な…?』と気付いてしまってからの切なさが半端無かったです。気づけば気付くほど仕草が猫そのもので、何度も読むのを中断して自分の家の猫を眺めたりしました。解説にあったとおり、動物好きにはたまらんラストでした。うちの猫も何回も蘇って一生私のところに来てくれないかなぁ
読了日:7月25日 著者:越谷オサム
陸と千星~世界を配る少年と別荘の少女 (ファミ通文庫)陸と千星~世界を配る少年と別荘の少女 (ファミ通文庫)感想
初恋は実らないとよく言うけれど、いつか再開して幸せになって欲しいと願わずにはいられない。そんな作品でした。
読了日:7月18日 著者:野村美月
櫻子さんの足下には死体が埋まっている冬の記憶と時の地図 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている冬の記憶と時の地図 (角川文庫)感想
犯人の動機についてはイマイチ釈然としませんが、話は面白かった。秘書は正直ダメだろ(笑)と思ったけどキャラが立ってていい感じ。最後の短編がとても良かったです。これからも気になる。
読了日:7月7日 著者:太田紫織
オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き (メディアワークス文庫)オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き (メディアワークス文庫)感想
前巻まではドSと表記されているものの、ただの暴言じゃないか!とやや辟易としながら読んでいましたが今回はかなり柔らかくなっていて良かったです。ドSとは相手を思いやれてこそだと思うのです。それがてきないなら相手を傷つける暴言でしかない(熱弁。話も最初の植物の話も優しくて良かったしそのあとも、今後の伏線が張られつつ距離も縮まる感じでかなり楽しめました。続きも楽しみです。
読了日:7月4日 著者:近江泉美
特等添乗員αの難事件 IV (角川文庫)特等添乗員αの難事件 IV (角川文庫)感想
舞台はハワイ。絢奈と同じくラテラル・シンキングの持ち主である、無賃乗車常習のミヨンとの対決、と同時に壱条の婚約者を自称する女が登場。壱条のヘタレっぷりにイライラしたけど、絢奈を洗脳者扱いする瑠華がちょっと面白いなと思った。なんでこんなにキカイダー推しなのか疑問だったけど、宣伝ですか。
読了日:7月1日 著者:松岡圭祐
思い出のとき修理します (集英社文庫)思い出のとき修理します (集英社文庫)感想
優しい話で救いがあって良かった。最初は最近良くある日常の謎系なのかな思って読みはじめたけど、それだけじゃなくて、少女小説みたいでこんな人生だったらなと思った。シャッター街になった商店街はリアルで、でも実際はこんなに優しくなくて噂話や下世話な話が蔓延っているんだろうからこそ、こんな街があればいいのになと思った。
読了日:7月1日 著者:谷瑞恵

読書メーター

陽だまりの彼女

2014.07.26 Sat 02:47

たまにはベストセラーを読みたいなぁと思っています。
こちらの本は、読書メーターでずっと上位にランキングされています。近所の書店でもいまだに平積みになってる。
色々読書をしようと思って、図書館で予約したのが2月の初旬。
ようやく順番が回ってきました。

読み始めは、25歳の男女の普通の恋愛話。描写がピュアだなーというのが感想でした(普段、エグい性描写だったりを読んでるせいかも)。
でも、読み始めは普通だったのが、何やら不穏な雰囲気がちょっとずつ広がって…。
もしかして……? と気がついた時にはちょっと寒くなりました。今までの行動やらを振り返るとうわー!伏線がいっぱいはってあるー!

半分くらいは結構退屈に読んでいましたが、後半は一気読み。
最後もほんわりと終わってよかった。

タイトルがいちばんの罠だった気がします。
普段は作家でばかり読んでいるので、こうして他の作家さんの作品に触れられるのもいいなぁと思った次第です。

6月読書まとめ

2014.06.30 Mon 23:55

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:835ページ
ナイス数:53ナイス

万能鑑定士Qの短編集II (角川文庫)万能鑑定士Qの短編集II (角川文庫)感想
金券ショップの切手、雨森華蓮出所、父親失踪、家族が連続窃盗犯、ソメイヨシノ、の短篇集。一見関係のなさそうなエピソードが後々意味を持ってくるっていうのが王道なので、エキストラのところはそういう目で見ながら読み進め。短篇集ながら最後は事件が大きくなって終わる。やっぱり面白い。雨森華蓮が小粋な怪盗みたいになっててカッコ良かった。
読了日:6月19日 著者:松岡圭祐
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)感想
面白かった。バスケと吸血鬼と演劇、設定だけでお腹いっぱいになりそうだったけど、本当にすごく良くて読んで良かった。いい雰囲気だけどこれからの展開が気になる。あと、今回の主人公もヒロインもめっちゃ好みです。ただ、舞台本番中のシーンの客席の左・右という表現は『上手・下手』、薄い幕は『紗幕』って書いてあるほうが良かったかなと思った。
読了日:6月17日 著者:野村美月
シュークリーム・パニック ―Wクリーム― (講談社ノベルス)シュークリーム・パニック ―Wクリーム― (講談社ノベルス)感想
結局、表紙は一体なんだったんだろう?というのが、2冊読んだ感想です。内容ですが、なんとなくどれも釈然としないけど、こういう作風の作家さんなのかな?3本目のオチは米澤さんの愚者のエンドロールと同じでなんとも。この手法はどのミステリーが最初なのかしら。
読了日:6月8日 著者:倉知淳

読書メーター

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる / 野村美月

2014.06.17 Tue 15:59

ヒカルのシリーズが先月完結して、文学少女がすごく好きだった私にとって、ヒカルのシリーズはちょっと苦手でした。
野村さんの少女小説みたいな語り口調と、是光の男らしい語りがややミスマッチな感じがしていて、文学少女の時の遠子の本語とコノハの未完成な感じがすごく好きだったので、ヒカルを読みながらも、『文学少女の時の感じのが読みたいなぁ』と思ったりしていたのです。
とはいえ、ヒカルの最終回はそれでとても良かったんですけどね。

で、今回新シリーズがはじまると知って、今回はもう読むのやめようかなぁと思っていたのです。
でも、SSプレゼントやらなにやらの企画があって、ヒカルの後日談もそれで読めるということを知って、今回のシリーズも買おうと思ったのです。

ぶっちゃけ、読んでよかった!!

バスケと吸血鬼と演劇が題材になっていて、ごっちゃりかなぁと思って読み始めました。
読み始めたら、吸血鬼が出てくるときの感じはアレだし、スラムダンクの話題はやったら出てくるしで…やっぱりダメかなぁと思ってたんですが、読んでるうちに夢中に…。

最初は、自分が吸血鬼であることと、台本に出てくる吸血鬼のギャップに戸惑ったりしていて、演劇初心者だし大丈夫かなぁという感じだったのが、バスケの助っ人をすることで気付くこと、セリフの言い方を演劇のパスになぞらえて練習していくところが、すごく良かったです。
主人公は長身だけど線が細くて好きですし、綾音の吸血鬼の話を語るところは遠子先輩を思い出す語り口で好きでした。
ところで、吸血鬼で出てきたのが『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』と『トワイライト』『ブレイド』『クロコダイルの涙』『吸血鬼ドラキュラ』などですが、『トワイライト』だけ読んだことがありました。ヒカルの時の裏テーマだった『星の王子様』も読んだことがあったけど、それに続いて2冊目。
トワイライト…2冊読んで心が折れましたが、最後まで読んだ時に気付くこともあるのかなぁ。

なにはともあれ、読んでよかったなと結果的に思える作品で、今後のシリーズ展開も楽しみです。

5月読書まとめ

2014.05.31 Sat 23:55

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2683ページ
ナイス数:94ナイス

万能鑑定士Qの推理劇II (角川文庫)万能鑑定士Qの推理劇II (角川文庫)感想
今回は古書。それにしても親に振り回される子供は可哀想だな。よい大人に成長してほしいと思ってしまう内容でした。このシリーズ暴力団が絡むことが多いなと思ったり。
読了日:5月24日 著者:松岡圭祐
シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)感想
声優さん、羽田千歳がなんだか沢城みゆきさんに重なり、境遇が似てるからかなぁなどと読んでたら、ほんとうにそれが元で書かれててびっくりしました。内容はなんとまぁリアル!お金のことに終始しますがほんとうにあるあるなのではないかと思います。でも小気味良くて面白かった。1500も入る芝居とか正直うらやましいけどね!
読了日:5月24日 著者:有川浩
密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿感想
「停電から夜明けまで」は少し毛色が違うので好みではなかったんだけれど、他は面白かったです。この探偵、読めば読むほど癖になる。
読了日:5月22日 著者:北山猛邦
オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを (メディアワークス文庫)オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを (メディアワークス文庫)感想
甘い透明なやつがサイダー。ほかはソーダかなと思う。前巻よりは面白くなってて楽しめました。
読了日:5月21日 著者:近江泉美
オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)感想
流行りの推理モノっていうよりは、ゴーストハントの劣化版ってほうが合ってるかなぁ。ドSをはき違えた暴言野郎はともかく、主人公の性格との相性が悪過ぎてしんどかった。もうちょっと兄がフォローするとか何かないと、明るそうに見えてウジウジ妄想突っ走りの主人公と、根拠もなく自信家でナルシスト=中二病をこじらせた高校生にしか見えなくて残念というか痛々しい。3巻から面白くなるとかいう噂を耳にしたのでもう少し読んでみようと思う。
読了日:5月19日 著者:近江泉美
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)感想
妖精の学校では、数字の意味に気付いて震えました。他の4編も怖くなったり絶望感を味わったりしました。終の童話だけでなく、全編童話みたいな話が詰まった短編集という感じで、怖くて手元に置いておくのはちょっと躊躇うけどたまに読み返したくなるような1冊です。
読了日:5月12日 著者:北山猛邦
踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)感想
探偵モノとして、そしてキャラモノとして面白かったです。探偵がコミュ障というのがまた面白い。
読了日:5月10日 著者:北山猛邦
“藤壺" ヒカルが地球にいたころ……(10) (ファミ通文庫)“藤壺" ヒカルが地球にいたころ……(10) (ファミ通文庫)感想
丸3年、読み続けてきてよかったと思えたシリーズでした。ずっと愛している人のことを思えるのなら自分の恋はかなわずとも相手が生きてさえいれば幸せじゃないかと私は思えてしまうので、藤乃の気持ちは理解できなかったけれど、帆夏との話はすごく自然でリアルでしかも綺麗だと思えた。挿絵が本当に良くて、夕雨のテニスウェアがめちゃくちゃ可愛いし、是光も最後の方ちゃんと笑えていてドキドキしたし、見開きのアレはアレだし!!いいなぁ、恋愛いいなぁ……
読了日:5月6日 著者:野村美月
万能鑑定士Qの短編集I (角川文庫)万能鑑定士Qの短編集I (角川文庫)感想
短編集。質屋を舞台にあれこれと問題がふりかかる。恋愛模様もやや進展(?)小笠原の過去があきらかになったり恋のライバルが出現したり。また、添乗員の絢奈と協力したりと盛りだくさん。普段の長編より面白かった気さえします。
読了日:5月1日 著者:松岡圭祐

読書メーター

デジャヴ。

2014.05.21 Wed 18:53

140521-1

雨の中図書館に行って、帰りは雨上がりでした。
図書館でも本をペラペラしたり、帰りもお散歩しながら帰ってきたりでのんびり。

本は2冊返して3冊借りてきた。
今月はあまり読めていないので後半巻き返したいなぁ。

ところで今読んでる本、短編がいくつか入っているのですが、そのうち1篇がすごーく読んだことがある。
「あれれ?」と思って読み進めたら展開もなんだか記憶にある。
2008年のミステリーズ!に掲載されていたらしいのですが、そちらも読んでないし、アンソロジーとかもほとんど読まないからなぜかなぁ…と思っていて謎は解けていないのです。
ミステリー小説の展開よりもそっちの謎が気になって仕方がありません。

写真は雨上がりのうちのベランダから撮ったのです。
雨粒がキラキラできれいでした。

雨ってきらいじゃないけど、今日は髪の毛がブワブワに広がって、とても都合がわるいです。
早く縮毛矯正かけたいな…。かけられるかなぁ。

私たちが星座を盗んだ理由

2014.05.12 Mon 19:23

北山猛邦さんの本、続けて2冊目読みました。
音野順が正統派探偵物ミステリーなのでそれを想像してたら、違っててびっくりな短篇集でした。
以下ネタバレ含めて書きますよ。

恋煩い
好きな人に近づきたい気持ちで、同級生が噂してるおまじないを試す主人公。信じていないと言いながらも実践してしまうあたりがかわいらしいなと思いながら読んでいたのですが、実はそれが悪意に満ちていて、すごいショックを受けました。
階段から落ちればいい、スズメバチに刺されればいい、廃校舎の床が抜けて落ちればいい。
幼なじみの女の子からの殺意に満ちた嘘のおまじない。こわ!

妖精の学校
いきなり幻想小説でびっくり。
絶海の孤島で楽しく暮らす子供たち。大人は先生と魔法使い。
『その場所は何処にも属さない!』
という不吉なメッセージ。
最後に出てくる『20° 25′ 30″ 136° 04′ 11″』という数字。
『北緯20度25分31秒 東経136度4分11秒』だと気付いて検索したら沖ノ鳥島で、絶句しました。
知ってから読み返すとなんとも言えない気持ちになりました。

嘘つき紳士
借金を負った主人公が町中で拾った携帯電話。その携帯で詐欺を働こうとしたら、実は…。
悪意に満ちていて読んでいて一番嫌だったなぁ。

終の童話
100人くらいの村で、怪物に村人が石にされる事件が発生。
その石像を数年後に破壊させる問題が発生した。ファンタジックでありながらも黒い。

私たちが星座を盗んだ理由
七夕の夜に星座を消した少年と、幼なじみの少女二人。
大人になった男女が再び出会って、ハッピーエンドで終わるのかとおもいきや、あまりにも救いがなかった。
星座を消した理由は大したトリックじゃなかったけど、それ以外の部分があまりにも怖かったー。

踊るジョーカー / 北山猛邦

2014.05.10 Sat 17:02

本を探してる時に表紙を見て読もうと決めました。
米澤穂信さんの<小市民>シリーズの表紙と同じイラストレーターさんで、優しい色使いとかがすごく好きです。

この方の本を読んだのは初めてでした。
創元推理文庫なんですが、いわゆるメフィスト系の作家さんらしい。
図書館で借りたんだけど、折角なので講談社新書の本も借りてきました。

踊るジョーカーですが、名探偵の音野順はコミュ障で、でも推理の才能に恵まれている人。
本人は引きこもっていたいところを、推理作家で友人の白瀬に才能を見出されて探偵事務所を開かされる。
白瀬は音野が解決した事件を話のタネにして推理小説を書いている。

白瀬が音野の事務所に探偵事務所っぽいものを買い与えたり、あれこれと世話をするんだけどそれが中途半端なところとかが結構面白い。
机を買ったのになんで椅子はパイプイスなんだよ!! とか、なんで来客者用のソファとか買う前に電気スタンド買っちゃうんだよ! みたいな。

5作収録されてるんだけど、どれも謎解きが面白いし、消去法でしっかり順を追ってくれるので置き去りにされることもなくて良い感じ。
あと本編とは関係ないんだけど、解説を書いてる方の本格ミステリ愛がものすごい伝わってきてちょっとクスリとする感じ。私は全然読んだこと無いので、探偵モノというとアニメでしかわからないですが(残念な人。

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