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ずっと好きなシリーズです。新大陸に渡ってREDに続き2作目。
これからも年1冊くらいで読めたら嬉しいなと思ってますがどうだろう?
米国旗でいくなら3作目はWHITEだよね、とか思いながら読みました。

ソヴュールを舞台にしていた時はもう少し重たい、それこそゴシックな雰囲気でしたが、新大陸に渡ってずいぶんポップになりましたね。
REDを読んでいた時は、その世界に馴染めずに戸惑いながら読んでいた部分もありましたが、今回は慣れて楽しめました。
まるで映画みたいなカラフルな世界があぶれている感じがして、脳内にものすごく映像が浮かびました。
ケーキが空中で爆発してイチゴやクリームが舞うシーンはぜひ映像で見たいなぁ。リアルにグチャグチャなのじゃなくて、可愛らしい感じで(笑)

一弥とヴィクトリカがなぜ日本で再開した後に新大陸を渡ってきたのかも少しエピソードとして入っていて、なんだか切ない気持ちに…。
でもやっぱり浮かれた感じが強くて、やっぱり続きが気になった今シリーズなのでした。

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私の男の映画を観に、新宿まで行ってきました。
最初はもっと近場の映画館に行こうと思ってたんですが、ネット予約が出来なくて不便だったのでいっそ新宿でもいいんじゃないかなということで。

新宿の映画館は色々行きましたが、ピカデリーは初めてでした。
紀伊國屋書店でフラフラして、アニメイトに寄って、目の前なのですごく行きやすい場所でいいですね。

映画の感想ですが。ネタバレするよ!! と、先に言っておきます。

…いくよ?(そして長いよ)

映画館の中は想像していたよりずっとたくさんのお客さんが居て、水曜日なこともあるのでしょうがそれにしてももっとマニアックな感じで上映するもんだと思ってたので驚きました。2番スクリーンで結構広かったです。
私はもともと原作者ファンで、ハードカバーの本が発売してすぐに読みました。
原作では、花の結婚式からはじまって、徐々に過去へ。
過去へと時間が遡っていく中で、押入れに隠された死体の謎やら、花と淳悟が本当の親子だとか、花が9歳の時に奥尻島の津波で家族を失ったこととか、色々なことが明らかになります。
原作では、基本的に花の一人称。時折、他の人から見た花と淳悟というのが描かれます。

映画では時系列が元に戻って、9歳からはじまって24歳へ。
視点も、周囲から見た花と淳悟という感じで描かれていました。
周囲から見ている分、タブー感が強い感じがして、周りが『あのふたりはおかしい』と思っていることが強烈に伝わってきました。読んでた時は、少女のところに感情移入していたので、そんなにいけないことだとは感じなかったんですが、同じように少女目線で映画を作ったらモノローグだらけになっちゃうもんなぁと、なんだか納得。

ただ、こんなにラブシーン多かったかなぁ…?というのがどうしてもわからなかったですね。ラストシーンも花にあんな表情をさせる必要があったのかどうか。とはいえ、淳悟の指を咥えて上目づかいの花は本気で、そこらのAV女優よりエロいんじゃないかと思った。
というか、この作品は男性からすると、こんな世界に見えるのかなぁ…おとこのひとって直結でエロに結びついちゃうんだなぁと、そんな感想。女性が映像化したらもっと違うものが出てくるだろうなぁって。そんなに誘う表情じゃなくて、もっとあざとい感じになったんじゃないかなぁと思います。
あとは、私が原作で好きだったシーンがことごとくカットになってたのは残念だったかな。
東京に引っ越すときの、友達の章子との会話「こころのほうが、汚れ、てるの」と打ち明けるところ。
淳悟が花を抱きながら「おかあさぁん」っていうところが、無かった(というか、9歳の娘との近親相姦のシーンはR15でもムリだろうけど)。
あと、カメラはメガネに変更になってた。

「おかあさぁん」はなかったけど、代わりに、おとなになった花の帰りを淳悟が外で待ってるシーンで、その時に首に巻いてるマフラーが、昔、巡視船の仕事を終えて帰ってくる淳悟を外で待ってる中学生の花が巻いてた赤いマフラーで、それは気持ち悪いなぁと思った。

役者さんのこと。
二階堂ふみさんは19歳だと思えないような不思議な大人っぽさと少女さが混在していて面白い役者さんだなと思いました。あと、ラブシーンの呼吸が死ぬほどリアルでエロい。
浅野忠信さんは、「淳悟が実写になったら誰がやるだろう?」という話の中で結構多くの意見があった方らしい。なんかわかる。でも淳悟と言うよりは『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の海野雅愛のほうがピンとくるなと、映画をみた帰りがけに思った。……まぁ、結局同じ人か?(藻屑=花らしいので、雅愛=淳悟なのだろうと想像。)

映画では鎖野花がすごく怖い子供として描かれていてびっくりしたんだけど、でもまぁ…冷静になって考えてみると気持ち悪いと思う。
原作を読んだ時も、共依存で危うくて生臭い感じで…。結局なんなの? と思ったりしたんだけど、映画は時系列が変わったことでミステリー要素も無くなってしまって余計にだからなんなの? と思うだろうなぁと感じました。後味の悪さが良さでもあると思うけど。

花は9歳まで奥尻島の民宿を経営をしている竹中夫婦の娘として育てられたわけだけれど、小さい時から他のきょうだいとはちがう疎外感を味わっていた。
それは、花はほんとうは育てられた父親とは血のつながりがなくて、母と、当時中学生で竹中家に預けられていた淳悟との間に生まれた娘だったわけで。
育ててくれた竹中の父親が津波の中、花をおぶって逃げていて、転んだ母を助けに戻る際、花を別の人が避難している軽トラの荷台に乗せて『生きろ』って言ったシーン……は、映画にはなかったんだけれど、父親はどういう心境でそう言ったのか…とかいまだに考えます。

売りになっている流氷のシーンは、本当にすごいなと思った。
あそこの、大塩さんと花の演技がほんとうに、すごくて、あー見に来てよかったと思った。
その後の淳悟の服を脱がせ始める花のシーンは、淳悟の胸毛に気を取られてちゃんと見れなかった。びっくりした。

なにはともあれ、見に行けて良かった。

桜庭一樹さんの過去作品を読もうフェアを勝手に開催中。
2002年にスニーカー文庫から刊行された作品で、現在は残念ながら絶版になっているようです。
古書を購入。

携帯アプリのギャルゲーのキャラクターがログインしなくなってしまったご主人様を求めて現実世界にやってくる話。
2002年作品だし、i-modeのゲームを元にされてるような感じなので古さは感じます。
ですが、結局スマホでも似たようなゲームはあると思います。よくしらないけど。

作中、ヒロインたちのように現実世界に行った先駆者が出てくるんですが、今回のヒロインたちがそちらの立場になったとして、

2002年に大ヒットした携帯用恋愛SLGがスマホに移植決定

みたいなことになって、また新たにゲームヒロインが現実にやってくる…みたいな続編とか出来そう…。
とか、読み終わった時にぼんやり思っていました。

まぁ、この作品を読むのは実は結構苦労してしまいました。
よくあるハーレムものなんかの作品はあまり得意じゃないっていうのがひとつめの理由。
あと、みさくらなんこつ氏の挿絵があるのですが、この方のイラストはエロいやつのイメージが強すぎてちょいきついかな…と感じました。
文章もすごい軽かった。昔の少女小説みたいな語り口でびっくり。

でも、最初にキャラクターがデリートされるところとか結構ショッキングだと思うし、ラストのほう、大家さんがいい味出してたりとか、
探し人である竹田芳生がどういう人間なのか、竹田芳生に関わった人たちと主人公の会話によってちょっとずつ明らかになっていったり…っていうのは面白かったです。

作者買いして読んでるうちに、どの順番で刊行されているのかわからなくなったので一覧にしてみた。
結構早い段階で一般の小説書いてたんだなぁとかわかる。

GOSICK RED (単行本)

発売元: KADOKAWA/角川書店
価格: ¥ 1,155
発売日: 2013/12/25

完結してくれただけでも奇跡的だと思っていたGOSICKの新シリーズがはじまりました。
今度の舞台はニューヨーク。

新聞記者になった久城一弥と、探偵社を起こしたヴィクトリカのもとに新たな事件が持ち込まれます。
時代背景は1930年代ということで、大戦は…あれー?と思ったんだけど、GOSICKの時代では戦争の時代がちょっと違うんだった。

それはそうと、ピンクの寝椅子に転がるヴィクトリカが今にも目に浮かぶ感じです。可愛い…。
今回は舞台も変わったし、改めて武田日向さんのヴィクトリカが見たいと強くおもってしまいましたが、活動休止されているようでとても残念です。

内容は次回への引きもあり、前作でレギュラーだったあの人も出てきそうな雰囲気だったり。まだ続きが楽しみです。

続編。
前作がゲームノベルみたいな感じだったのに比べて今作はかなりミステリ小説だなぁと感じた(相変わらず失礼なことを言っています。
…と思っていたら、そうか、桜庭さんてデビュー前に別名義でゲームシナリオを書いていたんだっけ…と思い出してなんだか腑に落ちた。

このシリーズ、未完ですが2冊でおしまいです。富士見ミステリー文庫のリニューアルに伴い打ち切り、となったそうです。残念。
今回はWP(ウォーターパーソナリティ)障害という、ボーダーの一種とされている架空(だと思われる)パーソナリティ障害が出てきます。
これは、その場その場で人格が変わってしまうかのように異業で成功したり、更に過去の自分のキャラクターを忘れ去ってしまうという精神疾患らしいです。
このへんが、架空であるにも関わらずリアルですごいなぁと思ってしまったり。過去を思い出す際に人格が揺れ動く感じは今の著者だったらもっと魅力的に描くんだろうと思ったり。
キャラクターも増えて、更に濃いキャラクターの勅使河原がいい味を出しているし、失墜しそうになっている花枝刑事もさらに深くなっており、かなり良いです。
《ゴッド》もすこし出てきて、これから更に展開していって面白くなるだろうというところだったので、続きがないのは非常に残念です。

ただ、この作品があったからこそGOSICKが生まれたのだろうなと思わされる部分は多々あって、前作ただの弱々しい高校生のようだった主人公の美弥古は今回前向きになり、久城と同じようなキャラクターになっているし、花枝あたりはブロワ警部を思わせる何かがある。
決定的な違いは華やかさで、GOSICKではヴィクトリカという魅力の塊のようなキャラがいるのに、こちらではヒロインは幼なじみでやや地味。どっちかというとアブリル的。
ただ、世界観はGOSICKの大戦前のヨーロッパに対し、こちらは『東京だけど世界線がちがう』みたいな場所で親しみやすくはあるかなぁ。
ただ、書店で見かけて手に取るかと言われれば、私は作家買いじゃなければ取らないと思うし(こちらはどっちかというと腐女子ウケしそうな表紙だなとは思う)、書店で見かけて表紙買いしたGOSICKを思うとそのへんの差は大きいのかも…と思っちゃったりする。

ただ、こうして読んでみたあとで、今のわたしが両方のシリーズを並べ置かれて『どっちの続きが読みたい?』と訊かれたら、こっちを選ぶかもしれないと思うくらい、好みの作品です。本当に未完が残念ですが、今あらためて続編を出して欲しいか?と問われると「うーん?」と思ったりもする。当時の続編が存在していたのなら是非読みたい。

……なんか、すごく失礼なことをいっぱい書いたけれど、それくらい面白かったということです。

ちょっと富士見ミステリー文庫の話。
このレーベルが刊行された頃(2000年)、私は結構この手のノベルスを読んでいました。
ラジオが好きで『電撃大賞』を好んで聴いていたこともあり、電撃文庫が多かったかな。ブギーポップシリーズとか途中まで読んでました。
なので、富士見ミステリー文庫が刊行された時って、すごく覚えています。『フォーチュンクエスト』やらで有名な深沢美潮さんがミステリーを書いてる!?っていうことに驚いた記憶があります。
でも、書店で手にとってみたけど買わなかった。当時の私は、殺人事件が起きたりするミステリーは苦手だったのでした。

そして、いつの間にかリニューアルされていることも知らず、表紙の絵の可愛らしさに惹かれて中身を大して確認せずに買ったのがGOSICKだったわけで。秋葉原の書泉で買ったのをすごく覚えてる。
内容は最初、主人公が犯人だと疑われたりするのが読んでてすごく苦痛で(のび太くん的なものが苦手なので)、でも面白い…かなぁと思いながら読んでたら、あとがきでハマってしまい、シリーズが出る度に買って読んでた。
桜庭さんの作品は他に読んでいなくて、しばらくして一般で出た『少女には向かない職業』を読んで、すごく怖くて軽くトラウマになりずーっと買ってなかったのでした。
その後、WEBサイトがあるのを知って、あとがきは好きだし日記も面白かったので読んでたら、エッセイが出るらしいことを知って、それを読んでたらいろんな本が紹介されていて、本を読むこと自体に興味が湧いたりして、その頃出てた青年のための読書クラブは読めそう…と思って読んで…ほかも読みたくなって…という感じで今に至る。
そんな感じで、その頃に読んだ少女七竈と七人の可愛そうな大人とか推定少女なんかは今読んだら全然印象が違うんだろうなぁ。読んでいた時はイマイチ話についていけない感じもあったので。

とまぁ、ちょっと振り返ってみた。

そんなこんなで前回手に入れる策をねっていた未読の『AD2015隔離都市―ロンリネス・ガーディアン』『君の歌は僕の歌―Girl’s guard』『竹田くんの恋人―ワールズエンド・フェアリーテイル』の3冊は無事古書で手に入れて、今家に積んで寝かせてます。デビュー作のAD2015隔離都市は、古書だけどカバーに傷一つ無いような「どこの倉庫で売られずに眠ってたのさ!?」みたいな状態の本が家に届けられて、かなりびっくりしました。あと、スニーカー文庫でも1冊出しててそれも意外でしたとさ。

面白い作品に出会えて今とても幸せです。
これからも良い作品に出会えますように☆

桜庭一樹さんのごく初期の作品。シリーズですが2冊しか出ておらず、未完。
いつだったか『本のおかわりもう一冊』というエッセイの中で、復刊しないと書いてあったのを見て、手に入るうちに買っておかねば、と思って古書を手に入れていたんだった。
ご本人が読み返した時の感想がこう書いてあった。

急遽、変更して、ものすごく久しぶりに自分の絶版本『B-EDGE AGE』を取り出した。(中略)
K子女子が“重大なことを話そうとした”と言っていたのが、来年、この作品を復刊しないか、という件だったのだ(中略)
それよりも気になったのは、これを書いたころの自分は、小説や読者のことを信じられていなかったんじゃないか、ということだ。自分が本を読むときに、いやだな、と思う、作者の“斜め目線”や、“自信のなさ”や、そのせいで“読者を疑ったりなめる気持ち”が、ときどき不気味にヌッと顔を出す。流れていく物語を、不快な金属音とともに、いやがらせみたいにいちいち止める。 (本のおかわりもう一冊 P104)

わたしが読んでいて浮かんだのは、『“ラノベ”を一生懸命書こうとしている姿』というものでした。おこがましいですが。
それが、ご本人にしてみると上記のように感じたということでしょうか?

内容は、日本だけどちょっと違う日本で、主人公は、子供の頃に渡米し、大人に勝てる武器を手に入れようと、飛び級を繰り返して15歳で国際弁護士の資格を持って、その後、とある挫折があって日本に帰ってきた、高校生。
そこに事件が紛れ込んで、無罪の罪を着せられそうになっている人を救うために、検事と戦う。
一言で言えば、逆転裁判みたいな感じでした。

これはこれで、楽しむことは出来ます。
ただ、今の桜庭さんのテイストはあまりないので、どこを期待するかかなぁ。でも、其処此処に片鱗を垣間見れるというか、空気感を感じられるというか…あるので、そういう部分でも面白味はあった。

これの続編である『獅子たちはノアの方舟で』をよみはじめたところ。
あと、桜庭さんの初期作品を読みたいと思って色々探してたら、ヤスダスズヒトさんが挿絵を書いてる本があった。
とりあえず、持っていない残り3冊をどうにか手に入れる算段をすませたところ。

ところで、GOSICK REDなる新刊が出るらしいです。


しかも12月25日発売。
もう完結だと思っていたので、びっくりすると同時に嬉しいです。

小説すばる 2013年 08月号 [雑誌]

発売元: 集英社
価格: ¥ 880
発売日: 2013/07/17

 すっかり暑くなった今日このごろ。
 このまま家にいたら電気代もかさむし、エアコンつける付けないにかかわらず私は病気になるなと…。

 そんなわけで図書館に行くことに決定。
 これを決めた火曜日は図書館がお休みだったので昨日から。

 今日は午後になったら日差しが出てきてなにやらヤバイ雰囲気に…。
 日傘は邪魔であまり持ちたくないのですが、熱中症が怖いので日傘をさして図書館まで行きました。

 昨日は持っていった本を読んでいたんですが、今日はふと雑誌コーナーに立ち寄りあれこれ見る。
 先月桜庭一樹さんの短篇集を読んだ頃、『Bamboo』という中編小説がオール読物の5月号に載っているという情報を目にしたので、読みたいなと思って探したら貸出中なのか無かった。

 残念に思いつつ文芸誌やらがおいてある雑誌コーナーを探していたら、小説すばるの最新号に米澤穂信さんの短編と桜庭一樹さんの中編(になるのか?)が載っていたので手にとってありがたく読む。
 小説系の雑誌は値段も高いしなかなか手が出せない上に、読み切りはその後短篇集で出るのが何年も後になったりはたまた出なかったり(?)するのでなかなか読めていないのです。

■ロックオンロッカー / 米澤穂信
 若い男性二人が、友人紹介割引につられて、美容院に連れ立って行く話。『貴重品は(必ず)手元に』という一言からはじまる日常の謎的ミステリー。
 男二人が一緒に美容院に行かねばならないというところで、あーでもないこーでもないと言い合う様子がちょっと面白かったんだけど、男性っそういうものなのかな?

■ロボトミー / 桜庭一樹
 披露宴の最中、尋常じゃな勢いで泣く義母。結婚後もそして離婚後も義母に振り回される男性。怖かった…。
 ロボトミーは昔精神病患者のまぶたの隙間からメス突っ込んで、前頭葉をチョッキンしてた治療法の名前だけど、奥さんだった女性の様子を例えているようで(立場も病気についても)、でも周囲に洗脳されていく主人公の男性の様子を例えているようでもある…とか深読みをしてみる。作中でTwitterのアカウントとして出てくるんだけどねぇ。
 とにかく義母が普通じゃない。完全に貞子ポジションだもん…。映画だったら叫び泣くわ……。

 そんな感じで2時間ちょっと滞在して帰宅。
 野性時代が置いてなかったのは結構残念だけど、小説誌が案外充実していることがわかったので、今度は読みたい作家さんがが書いてる号を調べてから出かけることにするー。

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 図書館の入口に『一時涼み所』というのぼりがあった。
 熱中症には気をつけたいですな…。

桜庭一樹短編集

発売元: 文藝春秋
価格: ¥ 1,365
発売日: 2013/06/13

 ずっと待っていた、桜庭一樹さんの短篇集が出ました。
 私はこの方の本に出会っていなかったら、今でもラノベだけをほんの少し読む人だったと思うのです。
 一般文芸を読むようになったおかげで、すごく世界が広がった感じがします。

 とはいえ、小説誌を買って読むほどではなく、後に単行本化もしくは文庫化された時に気になったものを買うだけなので、短編はほとんど読めず、何年も短篇集の発売を待っていたのです。

 発売して嬉しくて、楽しみすぎてそーっと少しずつ読んでいました。
 全部で6本の短編~中編が収録されています。

■このたびはとんだことで■
 妻、千代子と自分の不倫相手、艶子のやりとりを男性視点で俯瞰見ている作品。
 「お茶いただけます?」からのくだりが、まるでドリフのコントを見ているようで面白い。でもブラック。

■青年のための推理クラブ■
 『青年のための読書クラブ』のパイロット版らしい。
 読んですぐ『あれ?この推理簡単だな』とか思ってると結末にやられる。GOSICKのアニメが放映された時、初めて作品に触れた人が『推理がしょぼい』という感想を述べてたことがあるが、あれもこれも同じように、一見推理モノと見せかけて実は違う深い何かがあるという感じがする作品。

■モコ&猫■
 大学で出会ったモコは色が黒くてごま油の瓶みたいに脂ぎっていて、洋服のコーディネートの中にアンバランスに女の子の何かが入っている。
 すごく気持ちの悪い性愛なんだけれど、なんだか可愛げがあって、ちょっとリアルでいいなぁと思った。

■五月雨■
 山の上ホテルで働くホテルマンと、そこに長逗留している作家ふたり。
 鹿鳴館の雰囲気を醸し出しているような舞台で、何が起こるのかと思えばびっくりファンタジー。
 あまりにびっくりしすぎてあっという間に終わった。

■冬の牡丹■
 都会の古いアパートで一人暮らしする30代女性、牡丹と、その隣人の老人のお話。
 競争社会から置いていかれて好きに暮らすことへの疑問、その周囲の人。
 耳が痛いながらも、やたらと共感できてしまった。一番好き。

■赤い犬花■
 小学生の男の子が主人公。ちょっと珍しいな?と思いました。
 『ぼくのなつやすみ』みたいに都会っ子が夏休みに田舎にやってきて冒険する話。
 でも、起こった出来事は大人向けで苦い。
 表紙は、有名な日本人画家さんの作品らしいが、ユキノをイメージしてこの表紙になったのかなぁ?と読み終わってから考えた。

 6編、ほぼ発表順に掲載されており、わりと古い桜庭さんの作品から発売日付近に買って読んでいる身としては、今までがぎゅーっと濃縮されて、今に戻ってくるような幸せな感覚。
 今まで桜庭一樹さんの作品を読んだことがない方にもおすすめしたいと思った。

 早く新作が読みたいなぁ…。

無花果とムーン

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 1,680
発売日: 2012/10/20

 ずっと、一番大好きな作家さんであります、桜庭さんの新刊が出ました。
 野生時代で連載をしているのは知っていました。
 登場人物を野生時代のサイトで見た時『遠藤苺苺苺苺苺(えんどういちご)』の名前のインパクトが凄くて、読み始めるまでずっとイチゴが主人公だと思っていました…。

 ここ最近は割と硬派な印象の作品が多くて、少女を描いた作品は久しぶりな感じがします。
 そして、語りが主人公『月夜』の一人称。
 ずーっと『あたしは……』という文章が続きます。

 久しぶり過ぎて、慣れなくって読み始めは口から何かが出そうな感じになりながら読んでましたが…。
 読み進めていく度に、なんかすごい…すごい…と思い始めてそこからはそんな一人称も気にならないというか、逆に気持ちよくなる感じで最後まで読みました。

 SFのような、ファンタジーのような…。
 それでありながら、なんの謎も解明されない…。主人公の一人称なので読んだとおりにそうなんだーって納得できるわけではなくて、例えば周りの人間が月夜をどのように見てたのかとか…
 最後の大団円(?)のシーン含めて全部が月夜の妄想だったら…と思ったりすると、実はものすごく怖い話なんじゃないかと思えたりもしました。

 そういう意味でもやっぱりすごいです。

 お風呂に入りながら読む本を探していて、私は長湯があまりできないので…最近少しでも長く入ろうとしてるんですが、小説だとしんどくてたまらんので、漫画にしました。
 漫画だったら気に入ったものは何度も読むので、このまえでた『荒野の恋』2巻を手に湯船に浸かりました。(風呂フタを買ったおかげで読みやすくて快適)

 この『荒野の恋』は、大好きな桜庭一樹さんの小説『荒野』(ファミ通文庫では漫画と同タイトルで1~2巻出てました)のコミカライズ。
 これが、下品な言い方ですが、少女が絶品に美味なのです。

 桜庭さんの描く女性像はどれも独特で、すこし透明で、私みたいな大人の汚い女が読むと心が洗われる気がします。
 これに、タカハシマコさんの繊細でやわらかい絵が乗っかると…もうこんな最強のタッグはかつてないんじゃないか!?と思ってやみません。

 コミック1巻が出た時も、小説全部読み返したんだけど、今回もやはり読み返そうと思ってます。
 っていうか、ファミ通文庫のも、文春で出た単行本も持ってるけど、文春文庫版も欲しいかもしれん…と思っている今日この頃。

 コミックス2巻を読んでて、やっぱり鎌倉あたりに行きたくてしょうがなくって…。
 でも今は神社とか行っていい状態にないかなと思ってたんですが、調べてみたところどうも服忌は明けてるっぽいから行っても構わないんだよねーふむ。
 でも、海の方とかは賑わってそうだから、ちょっと涼しくなった時にぼんやりと行ってみようかな…。

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