タグ「 桜庭一樹 」の記事

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傷痕

発売元: 講談社
価格: ¥ 1,680
発売日: 2012/01/12

 MJが日本人だったら…という感じでした。
 伝説的なアーティストが銀座の廃校になった小学校を改造して暮らしていて、そこには小さい子供がよく招待されてるんだけど、ある日娘らしい子供が一緒に住むようになって、で、そのキング・オブ・ポップがある日突然死んじゃうところからはじまるお話でした。

 MJが亡くなった時もその後も、私はその波に乗れずに映画も見ずにいますが…こんな感じだったりしたのかなぁー…と想像したり。

 本編は、語り手を変えながらの6章ですが、キング・オブ・ポップを訴えた過去のある『復讐』という女性の話と、グルーピーの女性の旦那さんの話が好きだったな…。グルーピーのトマト柄のパンツの謎とか、額を切った傷痕が光るとか、その傷を愛してる旦那とか…。そういうのが気味悪くて良かった。
 復讐のほうは、父親が結局アレなんじゃね?という結論だったけど…。キング・オブ・ポップに陶酔していく母娘と、久々に仕事から家に帰ってみたら、他所の男に家族を奪われた感じがした父とか、そのへんの感じがもやもやでよかったです。

GOSICKVIII上‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 620
発売日: 2011/06/23

GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 540
発売日: 2011/07/23

 下巻が出たところで上巻からまとめ読み。
 上巻の後半、戦火が広がっていくあたりから、一般書籍での桜庭ワールドともいえるような雰囲気が広がってきて、下巻まで一気に読んだ。

 2度目の嵐が来た世界。
 久城は日本に帰り、ヴィクトリカは父の手に捕らえられた。

 視点は、ヴィクトリカ、セシル、アヴリル、一弥と変わりながら物語は進み、世界情勢は悪化していく。

 最後は、無理やり感はなくも無かった気がするけど、きれいにまとまってくれて本当に良かった。
 長い間読んできたシリーズがここで完結するのは悲しいけれど、レーベルが無くなってから、待ってきたからこそのこの描写で読めたんだと思うと喜びも大きい。

 あと、今回改めて感じた。私は大戦の欧州を舞台にした話が好きだ。

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 580
発売日: 2011/05/25

 聖マルグリット学園は、リビングチェス大会。
 そんな中、ブロワ警部の髪型の秘密や警部の部下のイアンとエバンが手をつないで話さなくなった理由や、そのきっかけとなった事件が明かされていく。

 来たるべき時はもう目前。
 嵐の前の静けさ。

 次巻を思わせるドキドキ感があった。
 GOSICKVIII‐ゴシック・神々の黄昏(上)がもうすぐ、6月末に発売だそうです。

 いよいよだなぁ…と感慨深くなる反面、今回の巻もそうだったんですが、アニメで先出しになってる部分が結構あったので、TVの方は見ないでおこうかとも迷います。

ばらばら死体の夜

発売元: 集英社
価格: ¥ 1,575
発売日: 2011/05/02

 舞台は千代田区神保町。
 古書店の2階に住んでいる女性と、過去にそこに住んでいた男性。
 出会い、体を重ねる。

 …私は本を読む時、まず最初に後ろのページをめくってしまう癖がある。
 でも、一般書籍ではあとがきや脚注がないものも多いので、最後のシーンをうっかり読んでしまわないようにそーっと開く(笑)
 この本は、後ろに参考資料が載っていて、なんとなく見た感じ、消費者金融とか多重債務とかの資料が多くて、あまり気乗りしないままに読み始めた。

 しかし、出だしの所からじんわり引きこまれていく。
 時間と、語り手を変えて進んでいく。

 怖いなぁ…と思いながらも、なんだか自分がどうにもできない借金を背負ってしまったような錯覚にも囚われてくる。
 主人公の女性とも同年代。リアルだ。。。

 読んだあとはなんにも残らない。でも、すごかった…。
 ドロドロのローションの海で溺れていくみたいだった。

GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日: 2011/03/25

 まるっと4年ぶりの新刊。
 富士見ミステリー文庫が休刊になってしまって、作者もジュニアノベルから一般書籍に活躍の場を移し、もう出ないんじゃないか…と思っていたこともありました。

 ところが、角川文庫から過去作が再販され、ついにこの度新作発売の運びになったみたいです。
 桜庭作品にハマったきっかけであるGOSICKシリーズ。
 なんだかんだで心待ちにしてました。

 いずれ、ビーンズ文庫で挿絵入りのものも発売されるのでしょうが、待てずに購入。
 でも、GOSICKはイラストもかなり大好きなので、ビーンズ文庫で発売されたらやっっぱり買っちゃうと思う。

 内容はヴィクトリカと父親との対峙。
 ソヴレムの劇場<ファントム>に連れてこられたヴィクトリカと、それを追ってきた一弥。

 ソヴュールの王妃ココ=ローズ殺人事件の解明がヴィクトリカに与えられた。
 混沌の欠片を集めるために奔走する一弥。
 そして、謎解きでは、舞台と解決がリンクしているのがとても良かった。

 読み始め、4年前のGOSICKを読むのと同じ気持ちで読んだら、少し戸惑いました。
 でも、だんだん最近の桜庭作品を読む気持ちに自分自身が切り替わってきたのと同時に、女性描写で好きな部分がつぎつぎと飛び込んできて、そこから先は一気に読みました。

 もうそろそろこのシリーズも完走のようです。
 残念だけど、楽しみでもあります。

伏 贋作・里見八犬伝

発売元: 文藝春秋
価格: ¥ 1,700
発売日: 2010/11/26

 のんびり読み進めて、やっと読了しました。
 今までの桜庭作品と違う色であると思わせながら、少女の描写がやはり桜庭作品だなと思いました。

 私は、里見八犬伝読んだことないので、読む前は楽しめないかと思ったんですが、全く別に楽しめる感じでした。

 漁師の浜路は異母兄の道節を求めて江戸にやってくる。
 そして、兄弟で『伏』と呼ばれる賞金首を狩るおはなしです。

 合間に入っている、贋作・里見八犬伝だけでも読み応えがあり、全編通してアクティブでとても面白かったです。

道徳という名の少年

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 1,365
発売日: 2010/05/11
売上ランキング: 4792

 美しいかんばせの女性が父親の分からない女の子をつぎつぎと産む…
 生まれた子供も美しいが、しかし、その美しさは決して永遠ではない…。

 そして、その子供へと受け継がれて行くオムニバスストーリーです。

 まず手に取ってびっくりしたのは、本のその薄さ。
 そして、中を見てみると、額縁のなかに文字が描かれているような感じで、とても美しいけど、内容すくなっ…。

 正直、別の作家さんの本だったら買うことはなかったかもしれないのですが、中身はとてもとても濃厚なものでした。
 時代は全く描かれていませんが、恐らく20世紀前半からだと思います。

 なんというか、おとなの女性にはたまらない物語だと思います。
 …面白かった……。

お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 1,680
発売日: 2009/12/26

 気になった本のページに付箋をぺたぺた貼り付けながら読んでました。
 注訳も飛ばさずに読みつつ、結構じっくりと読みました。

 お…おもしろかった。
 いっぱい本を読まねば!!という気分になります。

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 付箋は、選りすぐりでこんなかんじに。
 読んだ本から付箋をはがすのだー。

製鉄天使

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 1,785
発売日: 2009/10/29
売上ランキング: 2796

 昨日届いて、今朝から読み始め。
 ついさっき、読了しました。

 赤朽葉家の伝説のスピンオフ。
 第二部の毛鞠=小豆の、1980年代初頭頃の、レディースの話。

 もうもう、燃えます、そして萌えました!!

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 丙午の女性はつよいなぁ…。と、しみじみ思ったりする。
 その一回り下の午年のわたし。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

発売元: 角川グループパブリッシング
価格: ¥ 500
発売日: 2009/02/25
売上ランキング: 9507
おすすめ度 3.0

 富士見ミステリー文庫から2004年11月に出版された後、作者が一般書籍のジャンルに足を踏み込むきっかけになったらしい作品。
 更に、2007年3月に角川書店から単行本で出版され、今回、角川文庫で再び出版された、なんか変な感じのする本ですね(笑)

 古くからのファンにしてみれば、今更なぜまた文庫で出すのか意味がわからない部分もあるような気がしますが、いわゆるラノベに手を出しにくいし、単行本を買うのはちょっと…という場合、『直木賞作家の過去の作品かー』というスタンスで読むにはちょうどよさげな気がします。
 それにしても、富士見のを持っているのについ買ってしまう私のような人もいるのでは…なんて(笑)

 改めて読んでみると、最近読んだ『ファミリーポートレイト』や、その他の作品の原点的な香りが、とても漂います。
 そして、読み返してみて「…好きだなぁー」としみじみ思い返す感じです。

 手軽な感じでは漫画も出てるので、ぜひ知って欲しい作品です。

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