発売元: 東京創元社
価格: ¥ 777
発売日: 2008/02
勢いづいたところで、作家読みをすることに。
2005年にソフトカバーで刊行されたものの文庫版です。
どのへんで書かれたものかわからないまま読んでいましたが、『さよなら妖精』や、古典部の『クドリャフカの順番』の後くらいの作品のようです。
刊行順に読んでいるならば、初めて登場人物が学生ではない大人であるもののようです。
昨年9月に購入して積んでいたのは、実はそのあたりの理由もありました。
設定を読むと、探偵モノだったり主人公がオッサン臭い感じがして、どうにもこうにも手が出ないでいたのでした。
が、同作者の最新作を読みきった勢いでこちらにも手をつけた次第です。
感想ですが……、面白かった…
基本は主人公の一人称ですが、途中探偵志望で押しかけてきたハンペーという男の一人称、それから主人公の紺屋のチャットのやりとり。
ネットの文章。町の歴史を書いている本。
こんなものが織り交ざっていて、グイグイ来ます。
あとネット関係の文章が結構リアルで親近感が湧きます。正直言えば2004年付近でWEBサイトのチャットルームを使うというのはちょっと「うーん?」と思わないでもなかったんですが。
ちょっと前の作品だというのもあり、耐え難いほどの恐怖感というものはなかったのですが、中盤からやはりなんとも言えない気味悪さは感じました。
残念ながら、オチは途中で見えてしまったんですが、それを差し引いてもやっぱり引き込まれて一気に読めました。
米澤さんの作品は本当にハズレがなくてよいなぁ。
あと、最近の作品はちょっと怖すぎるので、このくらいの時期のものはだらりと読めていいなー(笑)
読んでいないのがあと1作あるのでこの勢いで読みたいと思っています。が、これまでにない長作っぽいし舞台が海外で登場人物も多そう(=名前が覚えられない)。
時間をかけてじっくり読みたいですね。