開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)

発売元: 早川書房
価格: ¥ 1,890
発売日: 2011/07/15

 外科医で解剖教室を開く、ダニエル・バートンと弟子たちと、田舎から詩人になるべくロンドンにやってきたネイサン・カレン。

 ダニエル・バートンは墓あばきから屍体を買っては解剖をしたり。
 ネイサン・カレンは慣れない都会で色々な目に遭ったりしています。
 舞台は18世紀のロンドン。
 あらゆる物に税金が課せられていたり、街は煤けて真っ黒。工業排水や汚水で酷い汚染のテムズ川。

 そんな時代背景で巻き起こる、謎の屍体。
 ここに隠していったのは誰か、はたまたこの屍体は一体誰なのか。

 やー、面白かったです。

 汚染された街と、耽美な描写がマッチして素晴らしいです。
 あと『チップを渡す』という行為が酷く野蛮なものに感じた作品でありました。

 久しぶりにステキミステリーを読んだなぁ!!と感じました。
 文筆業40年の著者。80代の女性が書いてると思うと益々胸がときめきます。

 個人的に、盲目の検事の助手であるアンのキャラクターが凄く面白くて好きでした。