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[amazonjs asin=”4102157239″ locale=”JP” title=”贖罪〈上〉 (新潮文庫)”]

 よ…よみにくかった……。

 全く個人的ですが、読んでいると強烈な睡魔に襲われて、それに耐えながら読んでました。
 数ページ読む、本を逆さに開いた状態で考える…うとうとする。
 はっと気付き本に戻る。

 そのエンドレス。

 …他の人はどうか分かりませんが、私はそんな感じ。
 でも、つまらないわけではない。

 レビューを読んだ感じ、文庫の上巻では、本作の第一部にあたり、視点は少女ブライオニーにあるらしいです。
 ブライオニーは作家気取りの少女で、妄想と思い込みと嘘が入り混じり、姉とその恋人の仲を引き裂いてしまう。

 …ここまでが第一部の話だった。
 劇をやろうと一人はりきるブライオニーの姿や、話の核になってくる手紙について話す姿は、まさにローティーンの少女の会話や思っていることそのままだと思った。
 この後、ブライオニーは大人になった部分が描かれるらしいが、どういう流れになるのかが少し楽しみだと思った。

 この作品、この春から『つぐない』というタイトルで、順次公開されてます。
 http://www.tsugunai.com/
 関東だったら、川崎の映画館で今上映されてるそうなので、お近くの方は見に行くのもいいかと思います。

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)
死の泉 (ハヤカワ文庫JA)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 903
  • 発売日: 2001/04
  • 売上ランキング: 105531
  • おすすめ度 3.5

 自分にしては早く読み終わった!!…のですよ、これでも。
 650ページの長編小説でした。

 舞台は戦中戦後のドイツ。
 1934年~1970年です。
 この作品は『ギュンター・フォン・フュルステンベルク』というドイツ人の作品、『野上晶』の訳…として書かれています。
 最初ちょっと混乱しました。

 話は、19歳で妊娠したマルガレーテの目線から始まります。
 そして、作者とされているギュンターの目線へと移り変わり、戦中ドイツから戦後14年経過したドイツへと舞台が移ります。

 ただ…ただ、クラウスが怖いよ……。
 最初のほうは、優しげな描写もあったけど読んでいくうちにどんどん怖くなっていく…。

 あぁー謎がいっぱいありすぎて書きたいことがいっぱいあるけど…ネタバレになってしまうので自重。
 分厚い本ですが、思いの外スラスラ読めます。
 そして、先ほど読み終わって、頭クラクラしてます( ̄Д ̄;;

 猟奇的であり、また官能的でもある作品でした。
 個人的にはもっと同性愛的なものが強くてもいいな…と思いましたが、男女の恋愛であっても、生黒くてそれでいて神々しい不思議な感じに描かれて居るなぁと思いました。

 それにしても色々気になる…。

伯林蝋人形館
伯林蝋人形館
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 2,000
  • 発売日: 2006/08
  • 売上ランキング: 263276

 6人の主要人物の目線で描かれ、交錯していくストーリー。

 舞台は第一次世界大戦からナチス政権まで。
 ヴァイマル共和政のあたりのベルリンの情勢が詳しく描かれています。

 凄く不思議で、凄く面白いです。

嵐が丘(上) (岩波文庫)
嵐が丘(上) (岩波文庫)
  • 発売元: 岩波書店
  • 価格: ¥ 588
  • 発売日: 2004/02/19
  • 売上ランキング: 16103
  • おすすめ度 4.5

1847年に発表されたイギリスを舞台にした恋愛小説。
読んでいて感じた『どうしようもない閉鎖感』は著者があまり外交的に表に出ず、想像の世界を飛び回りすごしていたことを思わせるような作品だなと思った。
エミリーは30歳で亡くなっており、若くしてこんなもの凄い話をこんなに全て計算されたように書いていることにびっくりした。

カンタンに言っちゃえば、古典ヨーロッパ『家政婦は見た』的な感じ。
あと、前半は登場人物の人間関係に戸惑った(親子で同じ名前だったり、いとこで結婚していたりする)。
それから、ヒースクリフという人物は本当に最後のシーンまでは恐ろしく、心を持たない人だと感じた。実際にキャサリンをさらって来るシーンあたりはとても怖い…。
しかし、読了後に色々考えると、ヒースクリフは生涯かけて一人の女性を愛し、また取り憑かれ続けたのではないか…と感じる。
寧ろ、語り手である家政婦のネリーこそ、なんだか冷淡で怖く思えてくるので不思議。

有名な古典文学なだけあって、色々な出版社から出ていて、まず、どこのものを購入するかで悩んだ。
最終的に手に入りやすそうな新潮か岩波のものか…と悩んでいた時に、AMAZONのレビューを読んでいたら『新潮のものは誤訳がひどい』と具体的な例を挙げて書かれていたので(私は具体例を見ても英語は全然わからないけど、「No, Mr Lockwood」を「こらこら」(使用人が主人に向かって)というのはさすがに私でもおかしいのがわかる…)、私は岩波の新訳(2004年)をチョイス。
岩波のほうも『訳文に情熱が感じられない』というレビューがあったけれど、他の訳文を読んでないので判らないのと、それが返って私にとっては『ネリーという人物が実はかなり冷淡なのではないか』と感じさせたのかもしれない。(ちなみにAMAZONで批判的なレビューをしているのは両出版社とも同じ人。他色々感想を見てみたところによると要は好みの問題らしい)

読み始めは判りにくいな…と思い、積み本になっていたものの、その間に何冊か読書をしていたおかげか、一般書籍に慣れた…のかどうかは判らないけど、積み本になる前の印象とはガラリと変わって読みやすく感じて、またここまで作品の世界に陶酔したものは今までであまり無かった。

読了後は『エヴァの最終回を見た時』と似てるような…(・・;)
作者がどんな人物でどんな環境で過ごしたのか知りたいし、登場人物の謎も解き明かしたい気分になる。様々な批評本が出ているらしいので、それにも手を出したくなる…。

荒野

発売元: 文藝春秋
価格: ¥ 1,764
発売日: 2008/05/28

 直木賞受賞後1作目のこの『荒野』は3部だけが書き下ろし1,2部はファミ通文庫から先に出版されている文庫に加筆修正したもの…です。

 終わりを迎えて少しほっとしました。
 少女の頃ってこんなだったのかなぁ…と考えさせられる部分や、あぁ、なんだか懐かしいとほわほわさせられたり、そうかと思えば大人の生々しくてぐろぐろしていて、全然キラキラしていない恋愛も描かれていて、あー人間って…ってなんとなく考えさせられてしまった。

 初恋をなんとなく感じた少女が、大人の恋愛や、友人の恋愛と触れながら、あれやこれやと思い悩み、振り回されつつ、でもどこかどっしり構えているようなそんな恋愛小説。

蝶
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2005/12
  • 売上ランキング: 113818
  • おすすめ度 5.0

 短編集です。
 主に10代の少女の目線で描かれた短編がいくつか入っている作品でした。

 半分くらいの作品が、とても印象深く残りました。
 どのお話もなんだか意味深で、考えるところが多い。

 舞台は日本なのにどこか海外の油絵のような感じがします。
 「妙に清らの」と「幻燈」がとても好きです。

 Le Fanteme de l’Opera

オペラ座の怪人 (創元推理文庫 (530‐2))
オペラ座の怪人 (創元推理文庫 (530‐2))
  • 発売元: 東京創元社
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 1987/01
  • 売上ランキング: 67260
  • おすすめ度 4.5

 

─可哀そうで不幸なエリック。

 古い名作ですね。
 読むのに1ヶ月もかかってしまいました…。
 ゲームにハマってたりした期間があったせいでもあるけど、見た目以上にボリュームがありました。

 こういった作品は訳文が格出版社から出ているのでどれを買うか悩みます。
 私は大体アマゾンのレビューを読んで決めるのですが、今回はあえて読みにくそうなほうを選んでみました。

 レビューを見る限るでは読みやすいのは角川書店のものみたいです。
 私が読んだのは東京創元社のもので、初版が1987年。
 解説からして時代を感じるもので、本文は言い回しが難しいところもあったりしてひっかかったりもしたのですが、またその言い回しが、いい雰囲気をかもし出してる感じでした。

 他の出版社のものも読んでみたいです。どのくらい違うんだろう?

 映画のオペラ座の怪人とはイメージがかなり異なり…。
 ファントムが切ないです…。

 豪奢で、退廃的で、寂しくて、どこか暖かい。
 いろんなものが入り混じっている気がします。

 セピア色の映画を見ているような感じでじっくり読みました。
 本当のオペラ座の怪人は…ファントムはこうだったんだ……と感じました。

 時代を経て読みつがれる名作なんだなぁと改めて感じました。

“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫 の 2-6-7)
“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫 の 2-6-7)
  • 発売元: エンターブレイン
  • 価格: ¥ 630
  • 発売日: 2008/04/28
  • 売上ランキング: 27
  • おすすめ度 5.0

 文学少女シリーズ、卒業編です。
 モチーフはジッドの『狭き門』。

 遠子さんの秘密が解き明かされていきます。
 やはり、読み始めると夢中で読み進めてしまう本です。

 次で本編は終了なので、少し寂しい…でも続きが気になって早く出て欲しい…。
 それにしても、流人くん怖いですよー……。

カルメン (新潮文庫 (メ-1-1))
カルメン (新潮文庫 (メ-1-1))
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 1972/05
  • 売上ランキング: 132935
  • おすすめ度 5.0

 芝居好きの方にはきっとお馴染みでしょう、カルメンです。
 カルメンといえば、ビゼーのカルメンより『ハバネラ』を思い浮かぶ人も多いことと思います。

 私も、ビゼーのハバネラをエレクトーンで弾くにあたり、この本を読み始めました。
 4ヶ月エレクトーンを弾いていて気がついたことは、土台が無いと、譜面を追っても全く上達しない。という絶望でした。
 ならば、カルメンという女性を知り、音を表現する上で必要な演技力というか、表現力で押していくように上達することが得策だと考えました。

 カルメンのイメージは、赤いドレスを身に纏って、頭には薔薇をかんざしにした女性。
 …というイメージでした。

 反するように、ジプシーというイメージは美しいものではなく、パリに旅行に行ったときに見た、物乞いをする人というイメージ。
 服装や肌の色髪の色共にパリの住人とはかけ離れており、一目でジプシーだとわかります。
 ジプシーの子供に囲われた経験もあります(わいわいと周囲を囲み騒ぎ立て、ポケットやカバンのお金や貴重品を奪い取っていくのです)。

 この、私の中でかけ離れたイメージをひとつにするために、本を読んだことはとても重要でした。
 国を渡り歩き、悪事を働き、強く気高く生きている女性で、男性を翻弄する魅力を持った人だなぁと思いました。

 ちなみに、この本は中編の小説がいくつも入ったものになっています。

 なぜ著者はこの物語を書いたのか、作中で、著者が伝えたかったものは何か…と、現代文のテストのようなことをついつい考えてしまいます。

マリア様がみてるマーガレットにリボン (コバルト文庫 こ 7-57)
マリア様がみてるマーガレットにリボン (コバルト文庫 こ 7-57)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 460
  • 発売日: 2008/04/01
  • 売上ランキング: 7
  • おすすめ度 5.0

 ────それから、真実の友情。

 さっくり読みました。
 マリみて。

 発売日に相方に頼んで買ってきてもらったのですが、まず感想が
 薄いー…。
 でした。

 読みました。
 過去の回想と未来日記。
 コレまで全作品を読んできた方は大分楽しめるんじゃないかなと思いました。
 チャオ・ソレッラのときのハナシ。レイニーブルーのときの傘の旅。

 様々なストーリーを含んだ、書き下ろしの短編集でした。

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