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満願

2014.08.02 Sat 03:11

著者 : 米澤穂信
新潮社
発売日 : 2014-03-20

米澤穂信さんの短篇集『満願』やっと読み終わりました。
発売してまもなく買ったので、3月末……それからずっと寝かせていました。
一本目の夜警だけは確かすぐに読んで、その後は図書館の本を優先してたらこんなことに…あぁぁ。

米澤さんの作品は、古典部シリーズとか小市民シリーズは気楽に読めるんだけど、他の作品は割と時間がかかります。
というのも、どれもこれも中盤で怖くなっちゃうんですよね。だってどう考えたって結末が悲しい方に向かう予感がしてしまうんだもの。

今回は前途の通り「夜警」だけ読んで何ヶ月も積んでいて、今週になって他は読みました。

「夜警」
警官のもので、銃マニアの警察官やら出てきますが、警察官モノは、BL作品を色々読んでいるせいかそっちの印象で読んでしまってました。というか、具体的に崎谷はるひさんの白鷺シリーズを思い出してしまい…なんでだ? と思っているうちに読了。
「死人宿」
2年前に職場のパワハラで姿を消した元恋人の佐和子に会いに田舎の宿へ行った男。その宿は人が死にに来ることで有名な宿だった。そんな時、温泉の脱衣所に遺書の置き忘れを見つけた佐和子が、元恋人を改めて試すという内容。一番探偵物っぽい作品でしたが、結末があまりにも……。そう来る? って感じ。
「柘榴」
女心が描かれていますが、なんかちょっとなあと思ってしまいました。恋愛対象が被った時に、男は女に悪意が向かい、女はライバルの女に向かうとよく聞きますが……実際はどうなんでしょう? 私だったら……確実に自分に悪意が向いてしまうので共感はしなかったです(私が特殊か?)。
「万灯」
バングラデシュで資源開発の仕事に従事する男。現地の少数民族との諍いやある男を追って日本に久しぶりに帰国した時のあれこれ。
すごく怖かった。怖いんだけど、だからこそ読まずにいられない…という状態になった。当時のサラリーマンは、状況によってはそこまでするかもな…などと、命を削るように働いていた父を思い出したりもした。
「関守」
小説新潮に掲載された時のものを、昨年の夏に図書館で読んだ(文芸誌や小説誌のたぐいは高いので基本的に気になるのだけ図書館で読む)。その時の感想が以下。


オチはわかっているので、伏線を拾うような感じで再読しました。山間にたまに見かける感じの古いドライブインという感じで、懐かしさもあるのにこれ…。
一人ひとり、当時の詳細を事細かに記憶しているおばあさんがまず嫌だ。
「満願」
満願成就の後ろ向きの達磨。掛け軸。
殺人の刑期を終えて出所する女。その女の弁護士だった男は、かつて女の家で下宿をしていたことがあった。
裁判の時の様子と、下宿をしていた時の様子と、今が入り乱れてくる。
この短篇集のなかで一番好き。畳屋の跡継ぎで、最終的には肝硬変で死んだ女の夫、重治は妻に何を見ていたのか。

陽だまりの彼女

2014.07.26 Sat 02:47

たまにはベストセラーを読みたいなぁと思っています。
こちらの本は、読書メーターでずっと上位にランキングされています。近所の書店でもいまだに平積みになってる。
色々読書をしようと思って、図書館で予約したのが2月の初旬。
ようやく順番が回ってきました。

読み始めは、25歳の男女の普通の恋愛話。描写がピュアだなーというのが感想でした(普段、エグい性描写だったりを読んでるせいかも)。
でも、読み始めは普通だったのが、何やら不穏な雰囲気がちょっとずつ広がって…。
もしかして……? と気がついた時にはちょっと寒くなりました。今までの行動やらを振り返るとうわー!伏線がいっぱいはってあるー!

半分くらいは結構退屈に読んでいましたが、後半は一気読み。
最後もほんわりと終わってよかった。

タイトルがいちばんの罠だった気がします。
普段は作家でばかり読んでいるので、こうして他の作家さんの作品に触れられるのもいいなぁと思った次第です。

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる / 野村美月

2014.06.17 Tue 15:59

ヒカルのシリーズが先月完結して、文学少女がすごく好きだった私にとって、ヒカルのシリーズはちょっと苦手でした。
野村さんの少女小説みたいな語り口調と、是光の男らしい語りがややミスマッチな感じがしていて、文学少女の時の遠子の本語とコノハの未完成な感じがすごく好きだったので、ヒカルを読みながらも、『文学少女の時の感じのが読みたいなぁ』と思ったりしていたのです。
とはいえ、ヒカルの最終回はそれでとても良かったんですけどね。

で、今回新シリーズがはじまると知って、今回はもう読むのやめようかなぁと思っていたのです。
でも、SSプレゼントやらなにやらの企画があって、ヒカルの後日談もそれで読めるということを知って、今回のシリーズも買おうと思ったのです。

ぶっちゃけ、読んでよかった!!

バスケと吸血鬼と演劇が題材になっていて、ごっちゃりかなぁと思って読み始めました。
読み始めたら、吸血鬼が出てくるときの感じはアレだし、スラムダンクの話題はやったら出てくるしで…やっぱりダメかなぁと思ってたんですが、読んでるうちに夢中に…。

最初は、自分が吸血鬼であることと、台本に出てくる吸血鬼のギャップに戸惑ったりしていて、演劇初心者だし大丈夫かなぁという感じだったのが、バスケの助っ人をすることで気付くこと、セリフの言い方を演劇のパスになぞらえて練習していくところが、すごく良かったです。
主人公は長身だけど線が細くて好きですし、綾音の吸血鬼の話を語るところは遠子先輩を思い出す語り口で好きでした。
ところで、吸血鬼で出てきたのが『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』と『トワイライト』『ブレイド』『クロコダイルの涙』『吸血鬼ドラキュラ』などですが、『トワイライト』だけ読んだことがありました。ヒカルの時の裏テーマだった『星の王子様』も読んだことがあったけど、それに続いて2冊目。
トワイライト…2冊読んで心が折れましたが、最後まで読んだ時に気付くこともあるのかなぁ。

なにはともあれ、読んでよかったなと結果的に思える作品で、今後のシリーズ展開も楽しみです。

私たちが星座を盗んだ理由

2014.05.12 Mon 19:23

北山猛邦さんの本、続けて2冊目読みました。
音野順が正統派探偵物ミステリーなのでそれを想像してたら、違っててびっくりな短篇集でした。
以下ネタバレ含めて書きますよ。

恋煩い
好きな人に近づきたい気持ちで、同級生が噂してるおまじないを試す主人公。信じていないと言いながらも実践してしまうあたりがかわいらしいなと思いながら読んでいたのですが、実はそれが悪意に満ちていて、すごいショックを受けました。
階段から落ちればいい、スズメバチに刺されればいい、廃校舎の床が抜けて落ちればいい。
幼なじみの女の子からの殺意に満ちた嘘のおまじない。こわ!

妖精の学校
いきなり幻想小説でびっくり。
絶海の孤島で楽しく暮らす子供たち。大人は先生と魔法使い。
『その場所は何処にも属さない!』
という不吉なメッセージ。
最後に出てくる『20° 25′ 30″ 136° 04′ 11″』という数字。
『北緯20度25分31秒 東経136度4分11秒』だと気付いて検索したら沖ノ鳥島で、絶句しました。
知ってから読み返すとなんとも言えない気持ちになりました。

嘘つき紳士
借金を負った主人公が町中で拾った携帯電話。その携帯で詐欺を働こうとしたら、実は…。
悪意に満ちていて読んでいて一番嫌だったなぁ。

終の童話
100人くらいの村で、怪物に村人が石にされる事件が発生。
その石像を数年後に破壊させる問題が発生した。ファンタジックでありながらも黒い。

私たちが星座を盗んだ理由
七夕の夜に星座を消した少年と、幼なじみの少女二人。
大人になった男女が再び出会って、ハッピーエンドで終わるのかとおもいきや、あまりにも救いがなかった。
星座を消した理由は大したトリックじゃなかったけど、それ以外の部分があまりにも怖かったー。

踊るジョーカー / 北山猛邦

2014.05.10 Sat 17:02

踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿
踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2014/04/05

本を探してる時に表紙を見て読もうと決めました。
米澤穂信さんの<小市民>シリーズの表紙と同じイラストレーターさんで、優しい色使いとかがすごく好きです。

この方の本を読んだのは初めてでした。
創元推理文庫なんですが、いわゆるメフィスト系の作家さんらしい。
図書館で借りたんだけど、折角なので講談社新書の本も借りてきました。

踊るジョーカーですが、名探偵の音野順はコミュ障で、でも推理の才能に恵まれている人。
本人は引きこもっていたいところを、推理作家で友人の白瀬に才能を見出されて探偵事務所を開かされる。
白瀬は音野が解決した事件を話のタネにして推理小説を書いている。

白瀬が音野の事務所に探偵事務所っぽいものを買い与えたり、あれこれと世話をするんだけどそれが中途半端なところとかが結構面白い。
机を買ったのになんで椅子はパイプイスなんだよ!! とか、なんで来客者用のソファとか買う前に電気スタンド買っちゃうんだよ! みたいな。

5作収録されてるんだけど、どれも謎解きが面白いし、消去法でしっかり順を追ってくれるので置き去りにされることもなくて良い感じ。
あと本編とは関係ないんだけど、解説を書いてる方の本格ミステリ愛がものすごい伝わってきてちょっとクスリとする感じ。私は全然読んだこと無いので、探偵モノというとアニメでしかわからないですが(残念な人。

終物語(下) 感想&<物語>シリーズ 時系列更新

2014.04.07 Mon 10:47

終物語 (下) (講談社BOX)

発売元: 講談社
価格: ¥ 1,620
発売日: 2014/04/02

読了ー。大変かなと思っていたんですが案外あっさり読み終わり。
とにかく伏線回収ーという感じで大団円という感じ。

あの人とかが出てきて嬉しかったなぁ。

話は、暦物語の直後から。
真宵ちゃんが出てきた理由だとか、ひたぎさんとのデートだとか。
あとは扇ちゃんの正体だとか。

花物語で出てきた扇ちゃん(男)については、なんとなく想像はできるもののまだ語ることがあるのか、それともこのままなのかどっちなんでしょうねえ?
何はともあれ、夏発売予定の続・終物語で本当に最後になるんじゃないかなと思うので、あと1冊何があるか楽しみにしようと思います。

あと、時系列も更新しました。
<物語>シリーズ 時系列

和菓子のアン / 坂木 司

2014.04.06 Sun 22:34

和菓子のアン (光文社文庫)

発売元: 光文社
価格: ¥ 720
発売日: 2012/10/11

読書メーターでずっと話題になっていたので気になっていました。
今年になって図書館で予約してやっと順番が回ってきたので読みました。

主人公は高校を卒業して、進学するほどじゃないし、専門に行くほどやりたいこともないし…という女の子。
デパ地下の和菓子屋さんにアルバイトの面接に行って採用されます。
最初は、体型の事とかとにかく卑屈でどうしようかなと読んでてしんどかったんですが、周りに可愛がられ、褒められるうちに可愛らしいキャラになってきて安心。
と同時に面白くなってしました。

和菓子屋さんで繰り広げられるいわゆる『日常の謎』。
人は死なないけど非日常なミステリはよくありますが、ここまでしっかり日常の謎してるものは久々に読んだけど、本当に面白かったです。
あと、和菓子の知識も盛りだくさんで、あんこ食べたくなりました。

魔法使いのハーブティー / 有間カオル

2014.03.25 Tue 21:18

魔法使いのハーブティー (メディアワークス文庫)

発売元: アスキーメディアワークス
価格: ¥ 662
発売日: 2013/03/23

初めての作家さんでした。
読書メーターで相性のいいアカウントの方が読んだ本を見ていて見つけた本です。

新しい作品を開拓したいと思っても、自分に合わなかったりするし、出版社さんのサイトやらではいいことしか書いていないので、なかなか難しい。
そんなわけで、読書メーターの相性を使わせて頂いてるわけです。

なんかもう、いい作品に出会えて良かったです。
メディアワークス文庫の本は少ししか読んだことがないんだけど、電撃のもうちょっと大人向け文庫というイメージ。
でも、電撃文庫は男性読者むけに作られてて最近私はあまり手を出さないレーベルになってしまっているのでメディアワークス文庫も男性向けの雰囲気が強いのかなというイメージが勝手にあったんです。
でも、読んだメディアワークス文庫を思い返すとそうでもないな…と気づいたり。

魔法使いのハーブティーは幼いころ母を亡くして親戚をたらい回しにされてる14歳の女の子。
彼女が、夏休みの間だけ預けられることになってやってきたのが、ハーブティーの喫茶店。

Lesson1~3の短編が収録されていて、そこには悲しい、切ないエピソードがたっぷりつまっています。
一応の謎解き、解決はハーブ。という感じですが、ミステリー色はほぼ無いと言っていいのかな。

とにかく優しい話でした。

一時期、人の悪意がグルグルとぐろを巻いているような話を好んで読んでいたことがあるのですが、最近は辛くなってしまって読めなくなってしまいました。
なので、こういう優しい本に出会うとホッとします。

千里眼

2014.03.15 Sat 01:49

千里眼 完全版―クラシックシリーズ〈1〉 (角川文庫)

発売元: 角川書店
価格: ¥ 660
発売日: 2007/09/25

千里眼シリーズの1巻、読み終わりました。
古いものは小学館から出てて、新装は角川から出てるってことでどっち読めばいいかな? と思っていたのですが、どうも時代背景的にも新しいもののほうがよさそうだということで、角川の方を読みました。
というのもQシリーズを図書館で借りて読んでいるのですが、予約待ちをしていると先に読み終わってしまうのでなにか無いかなと思って読み始めたのです。
表紙が苦手なのでとっかかりに時間がかかってしまいましたが、読み始めたらわりとあっという間でした。

アクション映画か何かを見ている気分でうわーっと思っていたら読み終わってた。
続きも是非読みたいのですが、Qシリーズと同時進行して混乱しないかどうかいまちょっと悩んでいるところです。

万能鑑定士Qの事件簿 / 松岡圭祐

2014.03.03 Mon 22:41

万能鑑定士Qの事件簿 I (角川文庫)

発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
価格: ¥ 540
発売日: 2010/04/24

1~2巻を読み終えたので感想。

なにやら人気があるシリーズらしいということは知っていましたが、読む気はありませんでした。
でも、ここ最近読書づいてる勢いで図書館で借りてきました。というか、予約して1ヶ月位待って順番が回ってきた。

最初に出てきた公務員の人がもう関わってこなかったのはちょっと残念なような感じがしました。
で、読んでるうちに話が沖縄に移って、聡明そうな莉子の意外な高校時代が描かれ始めた。
そうかと思ってたら近未来のハイパーインフレが起きた荒廃した東京が描かれてて、どんどん混乱するうちに1巻が終わり。

2巻を読んだらいろいろわかったのはいんだけど、舞台がリアルな日本であることと、荒廃した舞台とのギャップに苦しんでなんだかよくわからないことになった。
そもそもが近未来とかだったら違和感なく入り込めたんだけど。
でも、話は全体を通してすごく面白かった。ストーリーがというよりは、作中に散りばめられている雑学が面白い感じ。
ただ、宝くじに関しては、ただ弟(だっけ?)が伝聞したから、銀行員に当選番号を見ただけで笑われたと言ったのか、それとも作者自身が宝くじを買ったことがないのかどっちだろうと思ってしまった。宝くじの当選確認って、機械でやるよね?

まぁとにかく面白かったので今後にも期待ってことで、続きの予約が回ってくるのを楽しみに待つことにします。

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