発売元: 早川書房
発売日: 2000/03
おすすめ度
イアン・マキューアンの長編第一作。
子供のころからしつこいくらい、読書をしろと大人に言われてきたけれど…
大人になって、読書が好きになってみると、私はそうなんでもかんでも子供に本を読みなさいということはできないなとしみじみ思うのです。
そういう作品でした。
死んだ母親をコンクリートに詰めて、子供たちだけで生活したり。
近親相姦とか。妹を裸にしてあそんだり。
まぁ、そういうことすべてが子供たちの楽園のように描かれつつ、どこか退廃的な感じがただよっていて…。
著者の作品に合点がいくような…そんな感じでした。
どの作品にも、異常なほど気持ち悪い(拒否する意味ではなく)表現があるのですが、今回もありました。
病床の母親の部屋に子供たちが集まって語り手であるジャックの誕生日を祝うシーンがあるのですが、
そこで、姉のジュリーが逆立ちする場面があるのです。
それが、この作品ではピカイチだと思います。
それはさておき、やはり、何か惹きつけられてしまうのです。
そして、読書は娯楽であって勉強ではないなーと思いながらページをめくる私なのでした。
ほかの過去の作品も図書館で借りてきて読もうっと。