140219-1

まつげの先に、しずくを感じた。
あれ? と空を見あげると、細かい細かい水の矢が、ゆらりゆらりと降りてくる。
雨だ。

学級文庫でもないし、児童書でもない。絵本でもない。
初めて自分で買って読んだ小説って、なんだったか覚えていますか?

私はこの『天使のカノン』という本でした。

小学校高学年の時、友達がコバルトの小説を読んでるという話を聞きました。
で、母親にそれを話したら、いいんじゃない?という事になり、近所の書店に買いに行きました
当時、コバルト文庫(というか集英社文庫のコバルトシリーズだった)は書店でかなりのスペースを占めていました。
まだ、漫画家さんが小説を書いたり、マンガのノベライズなんかも流行る前の話。
友達は赤川次郎の吸血鬼シリーズとか、氷室冴子のなんて素敵にジャパネスクとかを読んでる子がいたかな……

私はファンタジーとか時代物とか、あまり興味がなかったので、自分で読みたい本を探そうと思って、表紙を開いたところにあるあらすじとかを色々読んで決めました。
あと、絵が可愛かったから。

主人公は13歳の女の子。で、現代の恋愛もの。
当時少女漫画ばっかり読んでたわたしが読むにはぴったりだったのかな…。
この本はシリーズで、1冊で1歳年齢を重ねていきます。
なので、当時から主人公より小さかった私はあっという間に置いて行かれて、主人公がおとなになってしまって。
読んでいた私は置いてけぼり。よくわかんないなぁ…と思った記憶。

今回、ちょっと思い出して、図書館の蔵書検索したらひっかかったので借りてきたんですが。
表紙見て懐かしいなぁと思って、値段を見て『350円(税込み)』にびっくりして(いまなら500円くらい)。
あとがきを読んで、20代前半の著者がかなり大人びたことを書いていることにくすっとして。
で、書き出しを読んだら、すごい既視感にめまいがしました。

内容はあまり覚えていないんだけど、読んだら思い出すのかもしれない。
当時、あまり小説を持っていなかったし、私はマンガを書いていたので、この小説が漫画になったらどんな感じだろうと思って、小説を読みながら台詞でコマ割りしたりしてた…ということをすごく思い出しました。
なんてくすぐったい……!! 私恥ずかしい!