朝日新聞の記事。青森県むつ市の市役所で「ノーマスク」を推進しているそうです。記事は以下

あえて「マスクなし対応」好評 市役所、風邪の職員は…

お役所絡みの場所でアルバイトをしている私としては他人事とは思えません。
図書館の排架仕事なので、常に来館者と同じホールで動き回っています。

私は、普通の人よりも気管支がかなり弱いです。しかも、病院に行って治療したら完治する症状ではない(病院には定期的に通っている)。
湿度の低いこの時期は特に危ういです。本当に酷いときはマスクして寝るし、湿度が下がるから暖房もしたくない。

こんな私が、あの埃っぽくて乾燥した空間でマスクだめだと言われたら…考えただけでも恐ろしい。
発作が出たら1ヶ月、咳と、咳に伴う嘔吐との戦いになります。
ちなみに気管支拡張系の薬や吸入はほぼ効果がなく、今使用が縮小されようとしているコデイン系の飲み薬しか効かない。

こんな私の唯一と言っていい防御方法が『マスクによる保湿』です。

例えば、こういう人が職場にいたら、職場の中の人や上司はマスクしていいよというかもしれない。
でも、『皆様に不快な印象を与えないため、ノーマスク推進しています』と、報道されていたらどうでしょう。
来館者がそれを武器にクレームを言ってくるのが容易に想像できます。

名札に『気管支の持病があるためマスクをしての対応になります』って注意書き入れますか?
大病から退院して職場復帰した人や、自己免疫系の病気でステロイドを服薬している人はどうでしょう。それやったら、差別になるよね。
醜形恐怖症でマスクをしてやっと人前で仕事できている人だっているかも知れない。

だったら、窓口業務やらなければいい?
シフトで順番に窓口業務をやってる職場だったら、その人だけ特例で半永久に免除でしょうか。
その場に居辛くなって退職や異動に追い込まれません? それを防ぐために無理してマスク外して応対して結局体調悪くしませんか。
接客しかない職場だったら?

この時期、インフルの疑いがあっても自分で認めずに人に向かって唾吐きかけてくる人が結構います。
小さいお子さんがいる人は、子供を守るために自分が具合を悪くしないようにマスクをしている人もいます。効果がないって言われたって、他に自衛する方法がないんだもの。

こういう、マスクをしてたらマナー違反みたいな謎の風潮が出回ることが一番恐ろしいです。たとえ、ここの市役所の考えが違っていたとしても、報道された時点でそうやって認識されていくのですよ。

アメリカではマスクしてたら変質者か重病人だと思われるとかって、すぐ他国と比べる人もいますが、ここは日本です。気温も湿度も人口密度も国によって違うでしょう。
それに、日本でも30年前はそうでした。マスクしてる人なんてあまりいなかった。30年後の欧米も今のままだと言えますでしょうか。

マスクしている=風邪なら休めは、浅はかなんだよ、ってことなんですよ。
ファッションでつけてるだけなら外せばいいけど、そうじゃない人が世の中には結構いるんだということを知ってほしいのです。

やむを得ない事情でマスクしている人を叩く材料になる気がして心配です。