桜庭一樹さんのごく初期の作品。シリーズですが2冊しか出ておらず、未完。
いつだったか『本のおかわりもう一冊』というエッセイの中で、復刊しないと書いてあったのを見て、手に入るうちに買っておかねば、と思って古書を手に入れていたんだった。
ご本人が読み返した時の感想がこう書いてあった。

急遽、変更して、ものすごく久しぶりに自分の絶版本『B-EDGE AGE』を取り出した。(中略)
K子女子が“重大なことを話そうとした”と言っていたのが、来年、この作品を復刊しないか、という件だったのだ(中略)
それよりも気になったのは、これを書いたころの自分は、小説や読者のことを信じられていなかったんじゃないか、ということだ。自分が本を読むときに、いやだな、と思う、作者の“斜め目線”や、“自信のなさ”や、そのせいで“読者を疑ったりなめる気持ち”が、ときどき不気味にヌッと顔を出す。流れていく物語を、不快な金属音とともに、いやがらせみたいにいちいち止める。 (本のおかわりもう一冊 P104)

わたしが読んでいて浮かんだのは、『“ラノベ”を一生懸命書こうとしている姿』というものでした。おこがましいですが。
それが、ご本人にしてみると上記のように感じたということでしょうか?

内容は、日本だけどちょっと違う日本で、主人公は、子供の頃に渡米し、大人に勝てる武器を手に入れようと、飛び級を繰り返して15歳で国際弁護士の資格を持って、その後、とある挫折があって日本に帰ってきた、高校生。
そこに事件が紛れ込んで、無罪の罪を着せられそうになっている人を救うために、検事と戦う。
一言で言えば、逆転裁判みたいな感じでした。

これはこれで、楽しむことは出来ます。
ただ、今の桜庭さんのテイストはあまりないので、どこを期待するかかなぁ。でも、其処此処に片鱗を垣間見れるというか、空気感を感じられるというか…あるので、そういう部分でも面白味はあった。

これの続編である『獅子たちはノアの方舟で』をよみはじめたところ。
あと、桜庭さんの初期作品を読みたいと思って色々探してたら、ヤスダスズヒトさんが挿絵を書いてる本があった。
とりあえず、持っていない残り3冊をどうにか手に入れる算段をすませたところ。

ところで、GOSICK REDなる新刊が出るらしいです。


しかも12月25日発売。
もう完結だと思っていたので、びっくりすると同時に嬉しいです。