ここ最近、あまり読書を続けることが出来ず、ちょっと読んでは数日放置してまた読んで…みたいな感じで、ぜんぜん集中して読書出来ていませんでした。
 が、久々に一気読みする作品に会いましたー。うへへ。

 米澤氏の新刊『リカーシブル』です。
 帯には『ボトルネックの感動ふたたび』と書いてあり、表紙のデザインも似た感じ。ついでに登場人物の下の名前がカタカナなのも似た感じ。
 読み始めは主人公が女の子なこともあるし、親の都合で母親の住んでいた街に引っ越してくるというはじまりも、ボトルネックのノゾミそのものだなぁという感じで読み始めました。

 しかし、内容は全然違っていて、正直こっちのほうが私は断然好きです。
 閉塞感のある田舎町。裏寂れた商店街というのは、実家のほうの市街地を想像するような感じで身近だった。
 そして、タマナヒメというのが出てくる民話が出てきて、それが主人公の今とリンクしてくるのですが…あぁぁもうっ。
 ママの異常な優しさとか、ちょっと変に見える弟とか、街の住人とか…いろいろ不気味ですが、もうたまらなく好みでした。
 主人公のハルカは中1にしてはちょっとキレキレすぎてるかなぁと思いますが、親がいないと生きていけない年齢感ということになると仕方ないのかなぁとも思えます。

 中盤を少し過ぎた頃の三浦先生との会話シーンは、お風呂で読んでたのですが、温かい湯船につかっているのに底冷えがするような変な恐怖感に襲われて…怖くてお風呂あがりました…。

 面白さ云々ありますが、いろいろ読めなくなってた私が今求めてたのってこういう話だったんだなー…とか思ってしまった。
 全部読んだ後、最初を読み返して…もうここからすべてが始まってたことに気づいた…。