20年ほど使わずにいたホッカイロ。
どんなに寒風吹きすさぶ外に立つことになっても利用していなかったホッカイロ。
一番新しい記憶は中学生の時だ。
あの時は毎日お腹に貼り付けて登校していた。
お腹が弱かった。
それは、ほとんどはストレスから来るそれだと今ならわかる。
授業中にお腹が痛くなった時の地獄。それを思うと居てもたってもいられず、少しでも冷えないように毎日お腹にホッカイロを貼って学校に行っていた。
手が冷えると、セーラー服の上着の中にいつも手を突っ込んでいる私は、友人からもそうでない人からも『常に胃が痛い人』だと思われていた。
その後は、別に寒くて困ることもなかったので、カイロに頼ることはほとんどなくなっていた。
高校を卒業して、専門学校に上がったころは、むしろ寒いところに通学していたのに。だ。
専門学校は、お腹が痛くなったら授業中だろうが誰にも断らずに教室を出てトイレに行ったり、自動販売機で温かい飲み物を買うなりしていた。
そんな私が。なのだ。
先週頭に風邪をひいた。
起きたら喉が激痛だった。
日曜日にはどうしても外せない用事があった。
湯たんぽだけでは体の冷えが収まらず、ホッカイロを買ってきてもらった。
よりによって30個入り。
それ以来、風邪はほとんど良くなったが、ホッカイロが手放せなくなってしまった。
なんというか、腰の冷えが緩和されるのがいい。
こうして、人は年老いていくのだろうか……と、少しさみしくもなった次第であった。
あー…ホッカイロあったかいなー……