傷痕

発売元: 講談社
価格: ¥ 1,680
発売日: 2012/01/12

 MJが日本人だったら…という感じでした。
 伝説的なアーティストが銀座の廃校になった小学校を改造して暮らしていて、そこには小さい子供がよく招待されてるんだけど、ある日娘らしい子供が一緒に住むようになって、で、そのキング・オブ・ポップがある日突然死んじゃうところからはじまるお話でした。

 MJが亡くなった時もその後も、私はその波に乗れずに映画も見ずにいますが…こんな感じだったりしたのかなぁー…と想像したり。

 本編は、語り手を変えながらの6章ですが、キング・オブ・ポップを訴えた過去のある『復讐』という女性の話と、グルーピーの女性の旦那さんの話が好きだったな…。グルーピーのトマト柄のパンツの謎とか、額を切った傷痕が光るとか、その傷を愛してる旦那とか…。そういうのが気味悪くて良かった。
 復讐のほうは、父親が結局アレなんじゃね?という結論だったけど…。キング・オブ・ポップに陶酔していく母娘と、久々に仕事から家に帰ってみたら、他所の男に家族を奪われた感じがした父とか、そのへんの感じがもやもやでよかったです。