ヒカルのシリーズが先月完結して、文学少女がすごく好きだった私にとって、ヒカルのシリーズはちょっと苦手でした。
野村さんの少女小説みたいな語り口調と、是光の男らしい語りがややミスマッチな感じがしていて、文学少女の時の遠子の本語とコノハの未完成な感じがすごく好きだったので、ヒカルを読みながらも、『文学少女の時の感じのが読みたいなぁ』と思ったりしていたのです。
とはいえ、ヒカルの最終回はそれでとても良かったんですけどね。

で、今回新シリーズがはじまると知って、今回はもう読むのやめようかなぁと思っていたのです。
でも、SSプレゼントやらなにやらの企画があって、ヒカルの後日談もそれで読めるということを知って、今回のシリーズも買おうと思ったのです。

ぶっちゃけ、読んでよかった!!

バスケと吸血鬼と演劇が題材になっていて、ごっちゃりかなぁと思って読み始めました。
読み始めたら、吸血鬼が出てくるときの感じはアレだし、スラムダンクの話題はやったら出てくるしで…やっぱりダメかなぁと思ってたんですが、読んでるうちに夢中に…。

最初は、自分が吸血鬼であることと、台本に出てくる吸血鬼のギャップに戸惑ったりしていて、演劇初心者だし大丈夫かなぁという感じだったのが、バスケの助っ人をすることで気付くこと、セリフの言い方を演劇のパスになぞらえて練習していくところが、すごく良かったです。
主人公は長身だけど線が細くて好きですし、綾音の吸血鬼の話を語るところは遠子先輩を思い出す語り口で好きでした。
ところで、吸血鬼で出てきたのが『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』と『トワイライト』『ブレイド』『クロコダイルの涙』『吸血鬼ドラキュラ』などですが、『トワイライト』だけ読んだことがありました。ヒカルの時の裏テーマだった『星の王子様』も読んだことがあったけど、それに続いて2冊目。
トワイライト…2冊読んで心が折れましたが、最後まで読んだ時に気付くこともあるのかなぁ。

なにはともあれ、読んでよかったなと結果的に思える作品で、今後のシリーズ展開も楽しみです。