発売元: 東京創元社
発売日: 2006/12/28
やっと読み終わりました。
300Pで2段組と、中々のボリュームでしたけど、面白かった~~~!!
ミステリーなので、最後にそれっぽいことがあって、それまで読んでて疑問だったことがポンポンポンと解決して終わるんですが、最後のそれよりも、全編通しての流れがよかったです。
赤朽葉瞳子…孫が祖母や周りから聞いた事を語る感じで、戦後の時代から産業革命~オイルショックがあってバブルがあって……と時代と共に話は進みます。
祖母の話、母の話、そして自身へと3章に分けて語られます。
昭和53年生まれの私からすれば、バブル期は小学生だったし(うちは貧乏だったし)、それまでの話は日本史の『現代』の中で習った話ですが、それがとても鮮やかに描かれている感じがして、昔の人はこういう考えで、自信や目標を持って仕事に励み、国のために働いた。
女は家庭を守って子供を産んで育てた。
バブルもとうの昔に弾けて、男女雇用機会均等法も制定されて、女性も働く時代になって、今の私は…?
…と、考えさせられる一面もありました。
一回りほど年齢の違う方に実際に話を聞くと、高校を卒業して就職や進学した直後にバブルが弾けて、同じ年齢でも大卒より高卒で就職した人のほうがいい職場に勤めて高いお給料を貰っていた…なんて話を聞いたことがありますが、そんなことを思い出す一面もあったりとか。
本の話とはそれますが、今社会人として立派に働いていらっしゃる都会の社会人の方(デスクワークとかの)は、女性でもみんな大学を出ていたりして、所詮専門学校卒の、一般職では高卒と変わらない学歴の私とは歴然の差を感じます。TOEIC?ナンデスカソレ?…みたいな(苦笑)
まぁ、なんだかんだと言って、学歴社会に絶望している私です。
そして、高卒の負い目もあるのかもしれないですが、高学歴な人を自分とは違う次元の人のように感じるし、被害妄想ですが、心なしか蔑まれた目で見られてるような気もしてしまいます。
でも、高学歴な人ってなぜか洋裁が出来るとか言うと『スゴイね』って言いますね。
私には不思議でしょうがありません。
洋裁は出来て普通。という環境で生まれ育っているからでしょうか?織物の街だった足利市だからかもしれませんが私が子供の頃、ミシンが踏めるのは当たり前のこと…でした(実家に帰ると私は未だに不器用なチエチャンですよ。トホホ)。
大卒の人にとって、専門的なことだけを学んでひたすら技術を磨くことと資格取得に明け暮れる学生生活ってのは、別世界の話なんでしょうか?
洋裁学校なんて、新宿にある文化服装学院にでも通ってる…とかでもなければ嫁入り修行か、縫製会社でひたすら流れ作業で同じ部位の縫い物をする仕事に従事するのが関の山…ですけど(私はそれがイヤで縫製会社には勤めない。縫製の仕立ては向いてないってのもありますが)。
それを考えれば、オートクチュールやらプレタポルテやらの業種に就けた事は、ある意味ラッキーだったのかもしれません。
…給料安かったけどね(ノω<。
どっかで生かさないとなぁ…と思いつつ、なんとなく行き詰まりを感じて行動に移せない私です。
独自ブランドを起こしてる人なんて世の中にはいっぱいいるし、そこでなにか突出できるもの…あとその方法と考えると難しい。
…だれか、頭のいい人案をくれないですかねぇ(笑)
……本の話に戻りますが、日本の戦後復興を学ぶのにもいい本だと思います。
中学生だとちょっと早いかな…妾の話とか出てくるし。
高校生以降の方…桜庭一樹さんの本は基本的に女性向けだと個人的には思うのですが(GOSICKとかラノベはともかく)、是非是非、読んでみてください。
1700円の価値は十分にあると思いました。