Strawberry + Heart | 2010/07/15Strawberry + Heart | 2010/07/15

猫と読書とレースにまみれた怠惰な日々。

<< July 2010 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

アンティークレース

 その昔、学生だった頃に先生が、アンティークレースを見せてくれたことがありました。
 15世紀とか16世紀頃の作品で、触ると壊れてしまいそうなくらい古い古いレースでした(多分ベネチアンレースじゃないかなー…)。

 その頃、先生たちが長期休暇を利用してヨーロッパ旅行に行っていた気がするので、恐らくそこで買ってきたものでしょう。。
 想像もつかないような金額で買ってきたと思われるのですが…。

 分厚い本にアンティークレースや織物の実物が貼りつけてあって、ドレスを復元した場合の絵が載っているものだったと記憶しています。
 糸の太さはとても細くて、ミシン糸くらいのものです。

 それは、今では復元する技術がないものも含まれているとのことでした…。
 あの美しさは…もう一度間近で見てみたいなぁ…。

 手作業で織られるレースは、工業生産の時代の波に押されて廃れていってしまったわけですが、やはり温かみがあって、格別です。

 と、図書館で借りてきたレースの本を眺めながら、遠い昔のヨーロッパに想いを馳せるのでしたー……。

初夜 / イアン・マキューアン

初夜 (新潮クレスト・ブックス)
発売元: 新潮社
価格: ¥ 1,785
発売日: 2009/11/27
おすすめ度 4.5

 日本で訳本が出ている中では最新作。
 マキューアンの『初夜』を読了しました。

 タイトルからして想像するのは、新婚旅行に出かけた先で迎えた初夜の、ハプニングもありつつも結局は甘ったるい話…かと思いきや。
 いやはや…。

 私は彼女、フローレンスの気持ちが少し(いや、かなり)わかる。
 私もフローレンスのように、性交渉に嫌悪感を抱く人間である。
 本文中に書かれていたように、妥協してここまでは許したら、今度は更につぎの難題が待ち構えるのである。
 本来なら、二人で楽しみながら超えてゆくものだと思うが、フローレンスにも、私にも次はこんなことがしたいという欲求が湧いてこないのだ。でも、相手を愛していないわけでは決して無いのだ。
 強く愛しているが、それでも受け入れられない罪悪感と辛さが、とてもよくわかる。

 私は、作中とは生きている時代が違うから、そういう気持ちを伝えることができるし、まして、こうやって公にすることもできる。
 でも、彼女の時代ではそんなこと、考えもつかないことなのだ。
 なんだか、果てしなく悲しい思いが湧き上がってきて、なんともいえない気持ちである…。
 自分の気持ちをその場その場で話すことができていたら…もう少しあとの時代だったならば、二人でゆっくり解決していこうと考えることもできたのだろうと思うととても残念に思う。

 マキューアン作品は、やはり性描写の気持ち悪さが強くて、読んでいてそれだけでたのしい。
 なので、ここから先は下世話に感想を……。

 ひとつめ。エドワードは、この日のために1週間自慰を禁じている。ねぇ、男性ってみんなそうなの?そういうものなの??
 だから余計にあんなことになっちゃったんじゃないの!?…とか言っても後の祭りだけど。

 ふたつめ。毛の表現が変態的過ぎる。
 彼女の下着からはみ出た1本の縮毛とか、彼の鼻の穴から1本だけ飛び出た毛とか。

 上記2点を読むだけでも、マキューアンだー…と読んでいて幸せになれる(笑)

 そんな描写とは相対的に、エドワードの家に向かって3時間もの道のりを歩いてきたフローレンスの可愛らしさ、その場面の美しさや、フローレンスの家で聞いたモーツアルトのハフナーの荘厳さが際立つ。

 本文中には出てこなかった、フローレンスと父親の関係も気になる。

マイ編み物道具

100715-1.jpg

 テーブルセンターを編み上げたことがほんの少しの自信に繋がり、すっかりレース編みの虜状態です。
 そのテーブルセンターを編み上げた後、小物を色々あんでみたり、往復編みの習作を作ってみたりと、色々ちまちま作っています。

 そして、最近の好奇心はやっぱりアイリッシュとタティングレースです。
 アイリッシュは編み図読めるし、作ったことがあるので、モチーフをつないでちょっと大きいものをつくりたいなと。

 タティングレースは全く手を出したことがない分野なのですが、とにかく繊細な美しさにすっかりやられてしまっていて、道具も違うので、まずはシャトルを買わねば!と思って色々調べたり。

 本は図書館で色々借りてみて、気に入った本はあとで買おうという方向。
 写真は私の少ない編み物道具です。
 0号の編み針はこの前買ってきたのだけど、それ以外はずっと使ってる洋裁道具の箱の中をあさって出てきたもの。 

1