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二十歳の原点ノート [新装版] 十四歳から十七歳の日記

発売元: カンゼン
価格: ¥ 1,449
発売日: 2009/03/12
売上ランキング: 33410
おすすめ度 5.0

 高野悦子さんをご存知でしょうか。
 1949年生まれで、立命館大学三回生だった20歳と6ヶ月の時、鉄道自殺で亡くなった方です。

 その高野悦子さんの日記が、死後父親によって出版されています。
 3冊あって、これはその1冊目です。中学生から、高校2年生までの日記がここに収められています。
 この度、復刊されたとのことでこの本の存在を知り、購入しました。

 父親が、娘の日記を公開した是非なんて問いません。
 ただ、十代の頃、時代はまったく異なっていても、同じようなことで悩んだりしていたなぁ。と思い出してしんみりするんです。

 残り2冊が、今日私の手元に届きました。
 心して読むぞ。
 それと、学生運動の頃の時代背景がよくわからないので、少し勉強してから読もうと思います。

 あと、お勧めしたいと思いながらも、反面、鬱転してしまいそうな内容なので、ちょっと悩む。

【関連】
  二十歳の原点序章 / 高野悦子
  二十歳の原点 / 高野悦子

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)

発売元: エンターブレイン
価格: ¥ 630
発売日: 2009/04/30

 コノハくんは高校3年生になりました。
 可愛い後輩が文芸部に入ってドタバタ。そして、後半はビターな、相変わらずの素敵シリーズです。

 私の可愛い(?)コノハくんは少し落ち着いていて(当たり前だけど)、少し残念。
 遠子先輩が出ないのもちょっと寂しいけど、後半の解決部分は、落ち着いた解説をコノハが。一番大切な熱い部分は新ヒロインの菜乃がもっていく、いいバランスだったなと…思いました。

 今回のモチーフは近松門左衛門の「曾根崎心中」。

 シャーリィ・ジャクスンの小説が復刊されていました。

丘の屋敷 (創元推理文庫)

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 798
発売日: 2008/09
売上ランキング: 168666

 80年の歳月を、闇を抱いてひっそりと建ち続ける<丘の屋敷>。心霊学研究者モンタギュー博士は調査のため、そこに協力者を呼び集めた。ポルターガイスト現象の経験者エレーナ、透視能力を持つセオドラ、そして<屋敷>の持ち主の甥ルーク。
 迷宮のように入り組んだ<屋敷>は、まるで意思を持つかのように四人の眼前に怪異を広げる。そして、図書館に隠された一冊の手稿が、<屋敷>の秘められた過去を語り始めるとき……

 孤独な女性の心が、じわじわと私にしみこんでくるお話でした。
 あと、後半に出てくるモンタギュー夫人のすごいキャラクターがまたすさまじいです。
 あんな人がいたら…疲れるなぁ……。でも割と居るよなぁ…みたいな。

泣き声は聞こえない (創元推理文庫)

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 672
発売日: 1991/12
売上ランキング: 459778

 主人公のミランダは15歳。
 先輩に憧れ、少女時代にありがちな『恋に恋する』感じだ。
 この少女が、妊娠してしまう。

 ↓↓ネタバレのため反転↓↓

 そして、自分では産む決意をしていたのにも関わらず、両親によって中絶をさせられてしまったミランダは、おなかに詰め物をして、マタニティードレス姿で家出をしてしまう。

 以前、みやむーが出産したときにWEBにあげたコメントがあって、そのときに、
 妊婦さんはホルモンの関係でロマンチストになるんじゃないか…みたいなことが書いてあったんだけど、ミランダの妊娠が発覚したときに、自分が小さいころに遊んだドールハウスを久しぶりに見て、自分が子供のころに作った人形の洋服の仕立てがひどくて、こんなの自分の赤ちゃんに見せられない!!とお直しをはじめるシーンがあるのですが。
 それを読みながら、上記のみやむーのコメントをずっと思い出していました。

 ストーリーはそこから思わぬ方向へと飛躍していきます。
 嫉妬に駆られた女性は醜い…でもその気持ちが、痛いほどに理解できてしまったりもする。

 最近、表紙が変わって復刊したので、読んでみて下さい。
 とても面白かったです。

お釈迦様もみてる―学院のおもちゃ (コバルト文庫)

発売元: 集英社
価格: ¥ 460
発売日: 2009/04/01
売上ランキング: 77
おすすめ度 4.0

 こんな男子校があったら大変だわ!!(笑)
 と思いつつ、とてもおもしろかったです。

 マリみてを読んでる人にしてみたら、あの安来節にこんなエピソードが!!っていう感じでした。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

発売元: 早川書房
価格: ¥ 756
発売日: 1977/03/01
売上ランキング: 3872
おすすめ度 4.5

 第三次世界大戦後の未来。地球には汚染された死の灰が降る。
 主人公のリックは新型アンドロイドを処理する賞金稼ぎである。

 …いかにもなSF小説。有名な小説。
 82年の映画『ブレードランナー』の原作…。

 私は、あまりSF小説が好きではないのです。
 理由はわからないけど、そうなのです。
 そんな私も、読んでいくほどにすごく面白い!!とのめりこんでしまった。

 普段は、ラノベしか読まないという人に是非オススメしたい1冊です。
 …でも、オススメするまでもなく読んでる人が多そうだな。

土曜日 (新潮クレスト・ブックス)

発売元: 新潮社
価格: ¥ 2,310
発売日: 2007/12
売上ランキング: 18554
おすすめ度 5.0

 舞台は2003年のロンドン。脳神経外科のヘンリー・ペロウンが、早朝に火を拭きながら飛んでゆく飛行機を目撃するところからはじまる。

 2001年の9.11から約1年半後。
 デモ行進などが起こり、世界中が厳戒態勢だったロンドンをリアルに描いている…んだと思う。

 主人公が1日の間に経験したこと、考えたこと…が1冊の本になっている。長い一日だった…。
 他に読んだ著者の作品に比べて…ずいぶんと社会的で硬い本だなと感じた。
 日本ではこれ以降の作品はまだ翻訳されていないが、どのようになっているんだろうかと気になった。

 さらに古い作品が読みたいなと思った。

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

発売元: 新潮社
価格: ¥ 620
発売日: 1962/04
売上ランキング: 3375
おすすめ度 4.5

 こういう本、大好きだー!!
 男同士の人間関係が美しいです。
 私が求めるBLはこういう感じだ!みたいな(笑)

 画家、バジル・ホールウォードのモデルは誰が見ても美しい美青年だ。
 その美青年が、ヘンリー卿という風変わりな人間の洗脳(?)を受けて、また、画家が描いた自分の絵を見たことで自分の美しさを知り、変貌していく。
 ドリアン・グレイはどんな悪事を働いても、ずっと穢れ無き美青年の顔のままだ。

 そこには、秘密が…。

 美しく悲しい喜劇です。おすすめです。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)

発売元: 角川グループパブリッシング
価格: ¥ 500
発売日: 2009/02/25
売上ランキング: 9507
おすすめ度 3.0

 富士見ミステリー文庫から2004年11月に出版された後、作者が一般書籍のジャンルに足を踏み込むきっかけになったらしい作品。
 更に、2007年3月に角川書店から単行本で出版され、今回、角川文庫で再び出版された、なんか変な感じのする本ですね(笑)

 古くからのファンにしてみれば、今更なぜまた文庫で出すのか意味がわからない部分もあるような気がしますが、いわゆるラノベに手を出しにくいし、単行本を買うのはちょっと…という場合、『直木賞作家の過去の作品かー』というスタンスで読むにはちょうどよさげな気がします。
 それにしても、富士見のを持っているのについ買ってしまう私のような人もいるのでは…なんて(笑)

 改めて読んでみると、最近読んだ『ファミリーポートレイト』や、その他の作品の原点的な香りが、とても漂います。
 そして、読み返してみて「…好きだなぁー」としみじみ思い返す感じです。

 手軽な感じでは漫画も出てるので、ぜひ知って欲しい作品です。

ロリータ (新潮文庫)

発売元: 新潮社
価格: ¥ 900
発売日: 2006/10
売上ランキング: 13753
おすすめ度 4.5

 若い女性が持っていた新品の白いハンドバッグの中に奇術師がミルクと、糖蜜と、泡立つシャンペンを注ぎ込んだのに…(略)

 約1ヶ月、この本の世界に出たり入ったりしていました。
 話は大きく2章に分けられており、前半は語り手ハンバートの気持ちの悪い妄想が主に描かれており、後半はハンバートのロリータとの逃避(?)について描かれています。

 正直、感想という感想はあまり持てないくらいよくわからない話だなぁ…。という感じなのですが、世間的に思われているいわゆる『ロリコン』のイメージと、この作品のイメージは、思っているのよりだいぶ離れているなと感じました。
 後書きの作者の言葉にあるように、私たちが国語の時間で習ったような、
『この作品には作者のどういったメッセージがこめられているのか』
 というような問いかけは無駄に等しく、更にエンターテイメントでもない、そんな作品でした。

 アメリカの作品だけど、ロシア人の考えは理屈っぽくて難しいなー…と改めてそんな印象が芽生えた作品でした。

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