カテゴリー「 Book 」の記事

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狭き門 (新潮文庫)

発売元: 新潮社
価格: ¥ 420
発売日: 1954/03
売上ランキング: 7651
おすすめ度 4.5

 狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。

 パリ生まれのアンドレ・ジッドが1909年に書かれた小説。
 主人公のジェロームは従妹のアリサに恋心を抱く。
 相思相愛のジェロームとアリサだが、アリサは自己犠牲の精神で主の身元へ向かう…。

 読み始め…なんかよくわからなかったです。
 ジェロームは妙に理屈っぽく、アリサは凄まじい信仰心がなんとなくうっとおしい気がしました。
 だけど、昨日最悪の状態で読んだら、なんとなく共感できる部分もあるような気がしました。

 小説の内容よりも、後ろに書いてあるジッドの生涯の解説が面白かったです。

マリア様がみてる―ハローグッバイ (コバルト文庫)

発売元: 集英社
価格: ¥ 480
発売日: 2008/12/26
売上ランキング: 61
おすすめ度 5.0

 やっと…読んだ。
 アキバに行った相方に頼んで買ってきてもらいました。

 終わり方が、好みでした。

 10年もの長い長い1年半。
 私は初めて読んだ時は2003年の夏でした。
 そもそも『マリみて』とは何ぞや?という所からはじまって、
 なんかすげぇユリンユリンなコバルトの小説があるらしい…と知って、1巻を購入。

 やべぇ、面白いコレ…

 という経緯だったのですね。
 そーいえば、今アニメやってるけど見てないなぁ…。
 相方(マリ見て未読)が『意味がわからん』と突然部屋に来て、アニメやってることに気付きました。
 見ようかな…。

 ところで。。。

080118-1.jpg

 ラノベ棚が、飽和状態になってきました。
 そもそも、『コミックス』『大型コミックス』『ラノベ』『その他一般書籍』がバラバラな場所に保管されているので、不便なことこの上ない。
 そろそろ、本棚考えないとダメだなぁ。

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

発売元: エンターブレイン
価格: ¥ 651
発売日: 2008/12/26

 文学少女シリーズの短編集です。
 FB Onlineなどで連載されている短編と書下ろしが、絶妙なバランスで詰まっています。
 本編が、井上心葉の視点で描かれているのに対して、この短編集は色々な人の視点から描かれています。

 でも、誰の目を通しても遠子さんは変わらない。
 そして、今までよりも甘いストーリーが詰め込まれていました。

 やはり、回を重ねても傑作は傑作なのです。
 遠子さんから語られる物語や作家の話は、とても魅力的で、いつも『読んでみたい』と思ってしまいます。
 WEBでの連載は、文庫で出た時に読みたいと思って読まずに我慢していて、やっぱり、本の状態で読んでよかったなぁー…としみじみ感じました。

   + + +

 題材作品一覧。

 ツルゲーネフ『はつ恋』
 菅原孝標女『更級日記』
 小林多喜二『蟹工船』
 『万葉集』
 ロンゴス『ダフニスとクロエー』
 エリナー・ファージョン『ムギと王さま』
 小川未明『赤いろうそくと人魚』
 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
 オスカー・ワイルド『サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇』
 ポール・ギャリコ『スノー・グース』

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2008/12
  • 売上ランキング: 200
  • おすすめ度 3.0

 タイトルながっ。
 出ると買って読んでるシリーズのひとつ。

 2作目の不気味で素朴な囲われた世界の14年後のお話。

 …おおぅ。

 よくわからないー。
 病院坂迷路のバックアップ(この辺がすでによくわからない)が動き回るのを、串中弔士が精神的操作をしてるような…。
 そんな感じで学園七不思議になぞらえた見立て殺人が起こるという。
 そんなストーリーでした。

 とりあえず、イラストと名前に騙されてはいけない…。

 内容は、星つけられない。
 私はあまり好きじゃないけれど、こういうのを好きだと思う人も居るのかもなぁ。

 衝撃的なことで言えば、R.O.D 10巻の次くらいに衝撃的だった…(R.O.Dのほうは、出だしから少女小説のあとがきか!?という語り口調で本編が始まった…でも、最初違和感あっただけで、慣れた)。

ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2008/11/21
  • 売上ランキング: 741
  • おすすめ度 4.5

 ふと、相方と話していてここのところの時間経過の早さが尋常じゃないことに気がつく。
 私は、曜日感覚も日にちの感覚も消え失せて、今日はうーんと、7日か、みたいな感じでカレンダー確認しないと全然分からないし、今月に入ってもう1週間経ったなんて、言われるまで気付かなかった(というか、12月になった実感もあまりない)。

 この前なんか、式が終わったら自分は最期を迎えるんじゃないかと、ふと気になって、でも猫の世話が出来るのは私だけだからなぁ…とか、実はもう28歳の最後の日に私は死んでいて(なぜか小さい頃から28歳以降の自分の人生はないと思っていたので)、ここは現実じゃなくって、夢を見てるのかなぁ…とか、よくわけのわからないことを考えたり。

 この準備の最中に、2週間もかけてどっぷりと『ファミリーポートレイト』の世界に身を潜めてたからだ…というのも感じる。
 読んで、コマコの世界にどっぷり浸かりつつ、自分の小さい頃のアルバムめくってたら、そりゃ本と現実の区別もつかなくなるなぁ…と改めて思う。

 この本を読んだ時、私のいちばん好きな本はデュ・モーリアの『レベッカ』だけど、ちょっと順位が揺らいだ。
 ファミリーポートレイトは色々な人に薦めたいなぁ…と思う本なのだけど、でもその前に桜庭作品を読書日記も含めた上で読んでからじゃないと楽しみが少し少なくなるような気がした。

 あと、好き過ぎて汚されたくないという思いもあって、読み終えてから感想を書くまでに時間があいた…。

 とにかく、東京の雑踏を心地よく感じるようになったのは、紛れもないこの本の影響だなと改めて思う。

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いま、血を流しているところなのよ、パパ。なぜ、だれのために? パパのために、そしてパパを愛していたためです。もちろん。

 本を読んで、こんなに荒廃した気持ちになったのは初めてだ。
 なんというか、とにかく後味が悪い。

 面白いという表現は違うと思う。
 ただ、非常に魅力的な文章の集合体ではあった。
 古めかしい日本語がなんとも美しい。

 それと、近親相姦などの愛の描かれ方が、絶望的にどす黒くて埃っぽい血のようなものに感じた。

 これが相反して、偉いことになっている。

 これが書かれた昭和40年。
 舞台は学生運動で荒れた東京。

 主人公の未紀はパパとあいしあっていて、俗世には軽蔑の目で見ている。
 Kは学生運動の後代々木を抜けて自分たちの集団を作り、悪事を働いていた。強盗や、乱交パーティや誘拐強姦。

 そんなふたりの間の空気はとても清潔なのだ。
 美しくて、読み手の心をざらざらにしていく。

 セピア色の映像をずっと頭に思い浮かべながら読んでいました。
 今はもう古いものとなってしまった風俗なんかが、いい色合いを見せます。

 私は、飲んだらいけない麻薬に恐る恐る手を出してみたら、読み終わるときに薬が抜ける禁断症状が出たように、非常に苦しい思いをしました。

 そして、リアルに睡眠薬と安定剤を口に運びました。
 はぁ…感想書いたら落ち着けた。

 軽く、作中で出てくる薬の説明など。
 ハイミナール…現在製造中止の催眠鎮静剤。成分は非バルビツール酸系のメタカロン。
かつては市販薬だった。睡眠薬としてよりも、いわゆる合法ドラッグとしての利用が多かったようである。この中毒患者は俗に “ハイ中” と呼ばれた。
服用すると言語中枢や運動中枢が犯され、いわゆるラリった状態になる。
後に長期連用で痴呆になるという報告があったことから、製造が中止されることとなった。
 リキグリーン…モカとかと同じ用に恐らくドリンク剤でカフェインが入っているやつみたいです。

 あと5年くらい大人になったら、もっとこの小説を受け入れることが出来るだろうか?今の私には未知の世界だし、男女の営みもなかなか受け入れられない私なので、面白さは半減以上だったんだろうなとおもうと悲しいです。

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メリキャット お茶でもいかがと コニー姉さん
とんでもない 毒入りでしょうと メリキャット

村の真ん中にフェンスで囲われたお屋敷。
そこには娘ふたりと老いたおじさんが住んでいる。

ストーリーはメリキャットの視線で進む。
最初はなんと酷い村人だろうと思う。

が、この読まれていることの一体何が真実なのか、どこからがメリキャットの妄想なのか、分からなくなる。

こんなに淡々と語られ、何も真相は分からない。
ただただ、むずがゆく怖い。

オススメです。

アムステルダム (新潮文庫)
アムステルダム (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2005/07
  • 売上ランキング: 14110
  • おすすめ度 3.5
─「OK、ただしひとつ条件がある。君も同じようにしてくれること。V」

 愛の続きを読み終えた勢いで、このまま続けて読んでやるぞー!と読み始めました。
 贖罪を読んだ時も、愛の続きを読んだ時も、緩やかに退屈にしんどいまま前半読んでいって、後半のある瞬間から唐突にページをめくる手が止まらなくなります。

 この、アムステルダムは比較的薄いので全体的にさっくりいけるかなーと思いきや。
 …やっぱり前半はかなり突っかかりました。
 4章あたりからかなりスピードアップしたなぁ。

 そして、わたしが引っかかったのは、編集長であるヴァーノンの性器の表現のところです…。
 なんていうか、文庫の118ページ5行目あたりからの表現が、読んでいて『あぁ、マキューアンの小説なんだな』なんて思ってしまうくらい。
 このアムステルダムより過去の作品はあらすじを読むだけでも(そういう意味で)凄そうなので、是非そのうち読んでみたいな…と思います。連続は疲れたので、またそのうちに…。

 話は、モリーという女の葬儀から始まり、その女を取り巻く愛人たちがもつれあって、ストーリーが進んでいく。
 内容は全然違うけど、仕立てが三谷幸喜の『THE 有頂天ホテル』みたいだなぁ…と感じました。
 同じ舞台の上で、視点が次々と変わりながら大波に乗ってストーリーがこっちに押し寄せてくるみたいな。
 ストーリーの内容は暗い感じがするものの、エンターテイメントとして凄まじいなぁ…と、圧倒されっぱなしです。
 まぁ、最後どうなるかは読み初めでなんとなく想像はつくものの、それでも最後数行になっても気が抜けない。

愛の続き (新潮文庫)
愛の続き (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 発売日: 2005/09
  • 売上ランキング: 124344
  • おすすめ度 4.0
─親愛なるジョー、ぼくは幸せが電流のように体を駈けめぐるのを感じています。
ジョー、いつかはぼくを許してくれますか?

 イアン・マキューアンは1948年、英国ハンプシャー生まれ。
 98年度に『アムステルダム』でブッカー賞を受賞したがその前作。
 そして、これもブッカー賞にノミネートされていたとのこと。

 日本では確か、アムステルダムのほうが先に邦訳出版されている。

 …そんなわけで、マキューアンの出版順に倣って私も『愛の続き』から読むことにした。
 表紙は、青空に赤い大きな気球と、それにぶら下がってる人が印象的。最初、キレイなタイトルと表紙だなと思ったが、読んでみたらとんでもなかった。

 科学ジャーナリストの主人公ジョーは、恋人のクラリッサとピクニックの途中、気球の事故に遭遇する。
 そこで出会ったパリーに執拗につきまとわれ、ジョーとクラリッサの関係や、ジョー自身も崩壊を始める…。

 そんな内容のもので、パリーは日本で言うストーカー(ド・クレランボー症候群と書かれている)で、家の前での待ち伏せ、つきまとい、気持ちの悪い手紙…を行っている。
 中盤に1章まるごとパリーの手紙の内容で占められている部分があるが、それがとにかく気持ちが悪い(贖罪で、ロビーが間違えて渡してしまった卑猥な内容の手紙と同じくらい気持ちが悪い…)。
 パリーがジョーに送る愛情は、そもそもはジョーがパリーに向けたものだと思い込んでおり、その他ジョーがパリーにそっけない態度を取るのもまた全て愛情の裏返しであり『合図』だと思い込むらしい。

 男性の同性愛、ストーカー、中年…。
 ここまで揃うと、なんだか加齢臭が漂ってきそうな勢いだ。硬くなったパンに酸化したバターを塗って食べてるみたいな感じ。

 また途中、ローガンの妻が亡くなった夫に対して、亡くなった事実よりも、その時に別の女性と一緒にいたという見栄が原因で死んだんじゃないか…と、疑り病んでいる様子が描かれている部分がある。
 愛に溺れた女性って(というか、男女問わずなのか?)、こういうことって結構あるんじゃないかと思う。

 歪んだ愛情がひとつの束になってこちらに襲い掛かってくるような感じ。
 気持ち悪い…(褒め言葉。

不思議の国のアリス (新潮文庫)
不思議の国のアリス (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 1994/03
  • 売上ランキング: 8490
  • おすすめ度 4.0

 中学生の英語の教科書にも出てくる『不思議の国のアリス』。
 そんな頃、実家でも買ったような気がするんですが、最近本を探していたら新装丁になっていて、とてもかわいい雰囲気だったので購入しました。

 凄く薄い本なのですが…。
 読みにくいっっ……( ̄Д ̄;;

 『~していてね。』と言う文書が多く、子供に語っている話し言葉をそのまま文章にした感じ。
 大体、どのくらいの年代の人が読むために発行されているんだろう…?中学生くらい?

 それにしても、このくらいのストーリーなら原文で読むのも全然アリだろうな。
 「不思議の国のアリス」を英語で読む (ちくま学芸文庫)
っていう本に興味を惹かれる。

 ちなみに、私が知ってるアリスは、ディズニーのやつだったような気がするんだけど、今調べてみたら1951年の作品。
 復刻かなにかされたものを見たのかなぁ?(カラーだったし)よく覚えてないけどテレビ放映されたものを録画して何回も見たなぁ。

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