カテゴリー「 Book 」の記事

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 月末、あれこれ欲しい本が発売されている季節であります。
 私はずっと密林購入をしていて、今でも欲しい本はネットのほうが出会えるタイプなのですが(本に限らずなんでもネットのほうが好きなモノに出会える)、新刊は届くのが遅いのでいっそ買いに行こうと書店をフラフラしてきました。
 もともと、本に乏しい小岩駅近辺なのですが、駅に2件書店があります。
 高架下の下の階と上の階に一店ずつ。

 以前は上の階にある店の方の品揃えがちょっと豊富でしたが、最近は売り場の一部が文房具売り場になり、映像化作品の入荷だけが妙に多いお店になりつつあります。
 以前はそれなりにあった四六判の本はぐっと売り場縮小。
 文庫は出版社別ではなく著者順に並んでいるので、作家買いをする私にはありがたい作りではあります。

 が、最近個人的にお気に入りなのは下の階の書店です。
 同類の臭いがする書店員さんがいるのです。好きなアニメがやたら私と被り、そして手作りのPOPの言葉遣いが、昨今のアニラシを聞いてる声ヲタの臭いがする。
 そんなわけでその書店に行って本購入。

 明日発売の偽物語は売ってるのに、今日発売の桜庭一樹は手に入らず…ぐぬぬ。
 近所に大きい書店があればいいのになぁ……。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

発売元: 新潮社
価格: ¥ 500
発売日: 2011/06/26

 古典部や小市民なんかを片っ端から手にとって読んでいました。
 そんな中で、もっと近年に発表されている作品も読んでみたいと思って手に取っています。

 簡単に言うと、ちょっと後悔するくらい怖いです。

 追想五断章を読んでいた時も、最初は三上延のビブリア古書堂を読んでいる時と変わらない気楽さで読み始めたのに、どんどんどんどん話が重くなっていって暗雲が垂れ込めてくる感じだったのに、今回読んだこっちは更に酷かった。

 作品は5章で構成されていて、登場人物はどれも違う。
 共通点は良家が舞台であるということ。それから『バベルの会』という読書サークル。
 この5章すべてが、後半になるにつれて、とんでもない恐怖を覚える。怖いのに読むことをやめられない。

 読後感もこれまでになく最悪であり、心地よさは皆無である。
 なのに、またこの著者の作品を読みたいと思ってしまう。麻薬のようだ。

 まるで、自分自身が殺人を犯してしまったような気持ちに囚われ、前後不覚の恐怖に苛まれるのでした。

 『玉野五十鈴の誉れ』は最後の1行を読んで、解説にも書かれていたように、なぜか笑ってしまう。こういう自分にも気づき、また嫌悪感に苛まれるのでした。

さよなら妖精 (創元推理文庫)

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 780
発売日: 2006/06/10

 久々に新しく読了。繰り返し読んでるものはたくさんあるのですが、新たなストーリーを読もうと思うとなかなか腰を据えて読むことができずにいました。
 この本は、同じ著者のシリーズを読み終えたあとに、次に読む本としてブックカバーに入れてそのまま読まないでいました。私は大体前の本を読み終える前に次に読む本を決めていて、何年も使っているブックカバーに差し替えていく方法で読んでいます。

 と、前置きはこのくらいで。
 この『さよなら妖精』は、<古典部>シリーズの『氷菓』と『愚者のエンドロール』が発表された後、出版社を変えて、2004年に東京創元社より単行本で発表された、それの文庫版です。

 話の時代背景は1991年から1992年。主に初夏。
 最初、読み始めた時に『なぜこんな時代チョイスなのだ?』と思いましたが、雨の日に出会う日本人でないマーヤという少女が登場することで意味がわかります。マーヤはユーゴスラヴィアから日本に来ました。1991年はユーゴ紛争の年に当たります。

 主人公の守谷や他の登場人物は高校3年。
 彼らがマーヤに出会い、そして彼女と日々を共にし、彼女が疑問を抱く日本の文化や歴史などを教えていく合間に起こる日常の謎を中心に序盤ストーリーは展開します。

 感想ですが。
 読後感の悪さ(スライム状のものが喉の粘膜に引っかかっているような)は、他作品でも全体的にそんな感じで見受けられたので、まぁそうなんだろうなぁと思ってましたが、今回もやはりという感じでした。
 しかし、話の序盤からぐいぐい引きこまれて、最後まで飽きる部分がほぼ無く読了させられる本はあまり出会わないので感動しきりです。

 登場人物の描写がラノベ的だという感想も見ましたが、古典部や小市民にくらべたら、よほど一般書籍っぽいと思います。というか、こういうジャンル分けもよくわからないのですが…。ほどほどの重みと軽さを併せ持っている感じで、私個人はちょうどいい感じです。

 とにかく、ちょっと読んでみて欲しいと思う作品でありました。
 ミステリというよりは青春小説といった雰囲気で、高校3年生の初夏の甘酸っぱくてほろ苦い気持ちを少しだけ思い出せたり、羨んだり出来る作品でした。

8月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2899ページ
ナイス数:36ナイス

蜜は夜よりかぎりなく (角川ルビー文庫)蜜は夜よりかぎりなく (角川ルビー文庫)
読了日:08月18日 著者:崎谷 はるひ
あなたは怠惰で優雅 (幻冬舎ルチル文庫)あなたは怠惰で優雅 (幻冬舎ルチル文庫)
最初の2編はWEBで読んだことがありました。改めて読み返してみて碧の印象がだいぶ違うなぁと感じました。もっと酷い人の印象が強かったのですが、結構違ったなぁと。ストーリーは、慈英と臣が出てくるエピソードがやっぱ面白かったな。あのふたりが好きだという事以外にもやはり事件が起こるっていうのがわかりやすく楽しめたのと、他の視点だと臣さんはこう見えるんだなぁとしみじみ…。
読了日:08月14日 著者:崎谷 はるひ
垂直線上のストイシズム (角川ルビー文庫)垂直線上のストイシズム (角川ルビー文庫)
シリーズ読んできてこれが一番好きかも。
読了日:08月14日 著者:崎谷 はるひ
平行線上のモラトリアム (角川ルビー文庫)平行線上のモラトリアム (角川ルビー文庫)
読了日:08月13日 著者:崎谷 はるひ
恋は上手にあどけなく (角川ルビー文庫)恋は上手にあどけなく (角川ルビー文庫)
読了日:08月13日 著者:崎谷 はるひ
夢はきれいにしどけなく (角川ルビー文庫)夢はきれいにしどけなく (角川ルビー文庫)
読了日:08月12日 著者:崎谷 はるひ
キスは大事にさりげなく (角川ルビー文庫)キスは大事にさりげなく (角川ルビー文庫)
おぼこいよおお。
読了日:08月11日 著者:崎谷 はるひ
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
シリーズ通して読了。やはり、話の終わりに向けてこれまでの出来事が収束していく感じが快感。面白くて前後編いっきに読んでしまいました。そして甘いモノが食べたくなる。危険
読了日:08月06日 著者:米澤 穂信
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
小山内さんと小鳩くんは、互恵関係を解消して、別々の方向へ。だけど、どうやら事件は同じ方向に向かっている様子。小鳩くん、少し大人になったなぁという印象。そして、堂島がめちゃめちゃいい感じになってる!!
読了日:08月04日 著者:米澤 穂信
夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
ごっこ遊びに興じている子供が、自分たちの世界に浸っているだけのような感覚。やはり、高校生よりはとても幼い印象を受ける。…シャルロット食べたいなぁ
読了日:08月03日 著者:米澤 穂信

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

発売元: 東京創元社
価格: ¥ 609
発売日: 2004/12/18

 この著者の作品、氷菓は読んでぐんぐん夢中になりましたが、シリーズの既刊はすべて読み終わっているし、他の、今手持ちの積み本は長編のやつが1冊。あと読みかけの西尾維新『悲鳴伝』は、主人公のキャラが合わずになんとか半分まで読んだところ…(後半面白いといいなぁ)。
 あと触手モノのBL小説…は読みたい気分じゃない。

 というわけで、気になったものを買おうと買ったのが、〈小市民〉シリーズの1作目、『春期限定いちごタルト事件』でした。

 主人公、小鳩くんとヒロインの小山内さんは『小市民』になることで互恵関係を結んでいる。
 ジャンルは『日常の謎、ミステリー』と言われるもの。

 最初は短編かと思って読んでいくと、それが最後の方はひとつに収束されて一つの大きな事件解決につながっていく…といった感じ。
 このまとまって来た時の快感に癖になってどんどん読み進める感じです。

 もしかすると氷菓よりおもしろいかもしれなかったなぁ。
 そして、他の作品も読んでみたいなと思っています。
 インシテミルは映画で見ちゃったけど、そういう、もっとヘビーなミステリーも書かれているらしいので読んでみようかな…。とか。

 この度、どうも私は連続殺人事件が起こるタイプの小説を敢えて避けてるということに気が付きました。
 ホームズもクリスティもカーも読んでいない。
 でも、最近少し読んでみたいなと思い始めました。

 その前に私は作者買いをするタイプなので、米澤穂信作品をもう何冊か読みたいとおもってます。


〈小市民〉シリーズ

7月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:844ページ
ナイス数:14ナイス

新房語新房語
届いて早速読みました。
とても興味深い対談。でも宮本さんの面白い行動が最後のほういいスパイスになって、ました(笑)新房監督がこれまで関わってきた作品は古いものは知らないのもとても多いですが、その中にも好きだった作品がポロポロとあって、もう一度見直したいなぁ…と思っています。
読了日:07月30日 著者:新房 昭之

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
日常系ミステリということで、人が死なないタイプで、気軽に読めるのが良かった。ただ主人公とヒロインが高校生にしてはちょっとだけ幼いかなという感じもした。
読了日:07月28日 著者:米澤 穂信

アニメ『化物語』副音声副読本(下) (講談社BOX)アニメ『化物語』副音声副読本(下) (講談社BOX)
読了日:07月14日 著者:西尾 維新

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1026ページ
ナイス数:26ナイス

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
3巻発売待ち遠しかった。お母さんのことも少しずつ見えてきて気になる続き…。また、次の題材が何かもとても気になる。
読了日:06月24日 著者:三上延
世界のすべてを包む恋 (幻冬舎ルチル文庫)世界のすべてを包む恋 (幻冬舎ルチル文庫)
読了日:06月17日 著者:崎谷 はるひ
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
最初、名前が覚えられなかったり、時代背景を調べたりしてのんびり読んでたけど、ネイサンの1個目が終わるくらいから面白くなって一気読みした。相変わらずの耽美な世界観と、18世紀の不衛生なロンドンの取り合わせにメロメロになりました。
読了日:06月06日 著者:皆川 博子

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)

発売元: 早川書房
価格: ¥ 1,890
発売日: 2011/07/15

 外科医で解剖教室を開く、ダニエル・バートンと弟子たちと、田舎から詩人になるべくロンドンにやってきたネイサン・カレン。

 ダニエル・バートンは墓あばきから屍体を買っては解剖をしたり。
 ネイサン・カレンは慣れない都会で色々な目に遭ったりしています。
 舞台は18世紀のロンドン。
 あらゆる物に税金が課せられていたり、街は煤けて真っ黒。工業排水や汚水で酷い汚染のテムズ川。

 そんな時代背景で巻き起こる、謎の屍体。
 ここに隠していったのは誰か、はたまたこの屍体は一体誰なのか。

 やー、面白かったです。

 汚染された街と、耽美な描写がマッチして素晴らしいです。
 あと『チップを渡す』という行為が酷く野蛮なものに感じた作品でありました。

 久しぶりにステキミステリーを読んだなぁ!!と感じました。
 文筆業40年の著者。80代の女性が書いてると思うと益々胸がときめきます。

 個人的に、盲目の検事の助手であるアンのキャラクターが凄く面白くて好きでした。

マリア様がみてる フェアウェル ブーケ (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)

発売元: 集英社
価格: ¥ 500
発売日: 2012/04/28

 久しぶりのマリみて。
 短篇集でしたがあいかわらずホッコリいい話でした。

 プライベートTeacherが好きだった。
 本編は終わっちゃってますが、あのあとどうなったのかな…っていうのも少し気になったりした。

 登場人物の名前が、音では古めかしいけど、漢字がさっぱり読めない。

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