カテゴリー「 Book 」の記事

382件の投稿

2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2279ページ
ナイス数:68ナイス

万能鑑定士Qの推理劇III (角川文庫)万能鑑定士Qの推理劇III (角川文庫)感想
地中海周辺各地からアメリカと、ずいぶん世界中を旅しましたね。地図と移動方法を見た時になにか法則性があるんだろうなぁと思いつつあまりにも果てしなく感じて謎解きを放棄しましたが、毎度毎度よく考えられていますね。
読了日:12月20日 著者:松岡圭祐
スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)感想
エロティックでグロテスクなファンタジー?という感じなのかな。ねむりの語りに入った途端に突然露骨な表現になるので置いてけぼりになる。でも、こういう話を好きな人はある程度いて、脳漿がしぶきをあげるシーンにうっとりする人がいるんだろうなぁ。という感想を持ちました。私個人的にはなんだか中途半端でのめりこめなかったな(この程度のエログロは平気)。官能的な言葉が上滑りしてるみたいな印象でした。まさに『女版の中二病を拗らせてる』というのがピッタリな表現だと思ったんだけど、言い過ぎかな……
読了日:12月20日 著者:相沢沙呼
魔女は月曜日に嘘をつく (朝日エアロ文庫)魔女は月曜日に嘘をつく (朝日エアロ文庫)感想
北海道のハーブ園を舞台にしたお話。面白かったし、優しい話で好み。ただ、主人公の男女のキャラ的な問題なのか、『どっかで読んだような?』という印象も強く残ってしまいました。良くも悪くも今時のライトミステリという感じ。
読了日:12月11日 著者:太田紫織
掟上今日子の備忘録掟上今日子の備忘録感想
終物語上巻が好きで、またこんな話が読みたいと思っていたので、思いがけず楽しかった。図書館で借りたけど続巻もあるようなのであとで購入しよう…。軽快な語りとライトな読み口でとても好みでした。続きも気になる。
読了日:12月8日 著者:西尾維新,VOFAN
鳥少年 (創元推理文庫)鳥少年 (創元推理文庫)感想
ひとつが短いからどんどん読めて話にのめり込めるが、暗い雰囲気に飲み込まれてこちらの思考もどんどん危険な方向に向いていくので怖い。終わりはどれも「あれ?」という感じで煙に巻かれている感じ。99年時に解説を書かれている方の著者への愛が深くて、読んでいて少しクスリとした。
読了日:12月5日 著者:皆川博子
GOSICK BLUEGOSICK BLUE感想
一弥とヴィクトリカが新大陸に渡ってすぐの事件。最上階に取り残されたヴィクトリカを救うため、階段をひたすら登る一弥の姿は、図書館の階段を毎日登っていた時を思い出してニヤニヤさせられました。ケーキが空中で爆発してイチゴやクリームが舞うシーンは是非映像で見たい。コミカルで悲しくて、今回も素敵な作品でした。
読了日:12月4日 著者:桜庭一樹
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)感想
過去に戻って正太郎と櫻子さんの出会いの話、そこから続いて現在へ。ストーリーは少しずつ進展してこの先も楽しみです。相変わらず食べ物の描写も多くて、どれも食べたくなります。ただ、変な擬音や口語が多くてちょっと安っぽく感じる気がした。
読了日:12月1日 著者:太田紫織

読書メーター

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ずっと好きなシリーズです。新大陸に渡ってREDに続き2作目。
これからも年1冊くらいで読めたら嬉しいなと思ってますがどうだろう?
米国旗でいくなら3作目はWHITEだよね、とか思いながら読みました。

ソヴュールを舞台にしていた時はもう少し重たい、それこそゴシックな雰囲気でしたが、新大陸に渡ってずいぶんポップになりましたね。
REDを読んでいた時は、その世界に馴染めずに戸惑いながら読んでいた部分もありましたが、今回は慣れて楽しめました。
まるで映画みたいなカラフルな世界があぶれている感じがして、脳内にものすごく映像が浮かびました。
ケーキが空中で爆発してイチゴやクリームが舞うシーンはぜひ映像で見たいなぁ。リアルにグチャグチャなのじゃなくて、可愛らしい感じで(笑)

一弥とヴィクトリカがなぜ日本で再開した後に新大陸を渡ってきたのかも少しエピソードとして入っていて、なんだか切ない気持ちに…。
でもやっぱり浮かれた感じが強くて、やっぱり続きが気になった今シリーズなのでした。

2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2214ページ
ナイス数:50ナイス

かいぶつのまちかいぶつのまち感想
羅針盤の続編。前作よりも読みやすかった。今回は卒業した者の立場から見た高校演劇で、大人になった彼女たちが現役の彼らを見て思うことに共感ができた。モノローグを読みながら、誰の語りかを考えたり楽しかった。今度は大人の小劇場の話も是非読みたいな。
読了日:11月28日 著者:水生大海
少女たちの羅針盤少女たちの羅針盤感想
読み始めてみたら、思ってたよりガッチリ組み込まれていて、真ん中から後ろはあっという間に読めました。驚きはあまり無かったけど面白く、高校演劇をモチーフにしているのも『実際にはこんなにトントン拍子に評価が得られることはないだろうな』と思ったけれど、女子高生のキャッキャした雰囲気や敵意を剥き出しにする描写が妙にリアルで好みだった。ただ、前半の4年前の描写が誰目線なのかがわかりにくくて、ちょっと混乱した…
読了日:11月21日 著者:水生大海
消えない夏に僕らはいる (新潮文庫)消えない夏に僕らはいる (新潮文庫)感想
児童文学のような雰囲気だと思いながら読み進みていたら突然ドカンと重い事件。アクの強いキャラクター達にイライラさせられる場面も多かったですが、楽しくあっさり読めました。ただ、学校のカーストみたいなのとかは中学生の時はあったけど、高校でもこんな事あるのかな?と疑問。それから、ミステリというよりは、謎解きゲームを小説に少し取り入れましたという感じかな。青春モノとしてはとても良かったです。
読了日:11月16日 著者:水生大海
雪には雪のなりたい白さがある雪には雪のなりたい白さがある感想
自分のことを言われているみたいで、ドキリとした部分のある作品だった。公園を題材にした4篇、どれも切ないけれど暖かくて、良かった。
読了日:11月16日 著者:瀬那和章
ココロ・ドリップ ~自由が丘、カフェ六分儀で会いましょう~ (メディアワークス文庫)ココロ・ドリップ ~自由が丘、カフェ六分儀で会いましょう~ (メディアワークス文庫)感想
最近良くあるカフェものかな、と穿った見方をしたところから入って読みはじめましたがとても暖かいお話で読んで良かったと心から思いました。ヒロインが綺麗で外交的なのもこの手の作品では珍しい感じ。あとがきから感じる著者の雰囲気もとても良くて、図書館で借りて読みましたが改めて買って手元に置いておきたいなぁ。
読了日:11月9日 著者:中村一
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)感想
書いている方の趣向が全体からぼやーっと漏れ出てくるような感覚に若干引きながらも、話はわりと面白かったです。ところで本文中の『皮膚には傷や痣や産毛はおろかホクロやアカギレさえない』(22P)って『人間としてアカギレはあって当然だけど、産毛はなくて当然だ』という解釈になってしまうと思うんです。わざとこう書いているのならば著者は物凄いフェティシズムの持ち主だと思います。
読了日:11月8日 著者:遠藤浅蜊
ほんとうの花を見せにきたほんとうの花を見せにきた感想
薔薇とか百合とかを綿あめみたいに柔らかくて甘いもので包んで、その結果、桜庭さんの独特の雰囲気に包まれた、暖かくて苦いお話になったと感じます。ムスタァ、梗、洋治、茉莉花、桃、類類。人と吸血鬼がくっついたり離れたり。満足感でお腹がいっぱいになりました。小説の最後から最初へまたループするような構成なのもいいなと思いました。
読了日:11月5日 著者:桜庭一樹

読書メーター

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ミステリ小説好きに拍車がかかってきた気がする今日このごろ。
ミステリだとはよく知らずに読んだ小説でしたが面白かったです。

『少女たちの羅針盤』は有名な高校演劇部に所属する少女たちが、顧問に反発して自分たちで小劇団を立ち上げてあれこれ…という話です。
4年後の、殺人を犯した犯人の目線から始まり、時は高校時代に遡って過去回想、そして現在の映画の撮影と切り替わります。

過去回想シーンで、4人の少女の視点であれこれと切り替わるので、今誰の目線で語られれいるのか? とわかりにくくなり惑わされますが、だんだん慣れてきます。
そうするうちに、女子高生の強気な態度とか、友達をキャッキャと騒ぐシーンとか、顧問に対しての反発の気持ちとか…が、すごくリアルに描かれていてどんどん引き込まれていきました。そして、一体だれが犯人なのか…緊張感と共に明かされていく感じがすごく良かった。

『かいぶつのまち』はさらに数年後、元演劇部の彼女たちの一人が書いた脚本を、後輩たちが演劇コンクールで演じることになったので、みんなで観に行ったらその先で事件が起こる…という話。
卒業後の高校には新しい顧問が入っていたり、相変わらずの教師が居たり。
脚本の内容に沿うように起こる事件がベタでありながら楽しめた。
そして、大人になって高校生たちを外側から見て『私たちもこうだったのかな』と思ったりするシーンに共感を得ました。

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近頃多い日常の謎系。さらにカフェものは特に多い気がします。
そんなわけで、新しい感じもしないのだろうなぁという先入観の元に読み始めました。

読んでみたら謎は少なめで、親子のあれこれを描いたほんわり暖かいお話でした。
謎が解けるときの決め台詞が、別のコーヒー屋さんのあれと結構被ってるんじゃないかなと思ったけどそれ以外は特に気にならなかったです。

主人公だと思われる女の子は、何でもはっきり物事を話して、明るくておそらく美人でモテるタイプのキャラクターで、これ系の作品では珍しいかもと感じました。
その主人公の性格はどうやら賛否両論あるようですが、私としては好感の持てる人柄で好みだなと思いました。
明るくてコミュニケーション能力があって、さらに出しゃばって空回りするでもないので読みやすくて良かったです。

恋愛模様が描かれているシーンがすごく良かったので、もし続きがでるならばその辺を重点的に読みたいです。
ところで、男女のキャラクター共に女性が書いてそうなイメージだなぁと思って読んでいたんですが、男性なようであとがき読んでびっくりしました。
あとがきからもすごくあたたかみがにじみ出て、なんだかほっこり。
図書館で借りたんだけど、続きも読みたいしあとで改めて購入しようかなと思いました。

2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1671ページ
ナイス数:55ナイス

異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女  (コバルト文庫)異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女  (コバルト文庫)感想
京一の間の悪さにイラァっとすること数回。なんだろう?黒幕なの?と、途中疑ってしまったりもしました(笑)主人公の千景は本来聡明でありながらも突っ走って危険なとこに足を踏み入れてしまう。それをきっと内心気が気じゃないと思っているっぽいのにクールにしている透磨という対比が良かったです。続きもありそう?あったら読みたいです。
読了日:10月30日 著者:谷瑞恵
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)感想
新潮文庫の新しいレーベルのようですね。新潮なのにスピンがないなんて…(軽くショック)。いまどきのミステリでコミカルで読みやすく面白かったです。もしシリーズ化したら続きも読みたいな。
読了日:10月23日 著者:知念実希人
デュラララ!!SH×2 (電撃文庫)デュラララ!!SH×2 (電撃文庫)感想
SHが何を表すのか明らかになった今巻。沙樹と一緒に居た臨也の取り巻きとかが出てくるとおもってなくてびっくり。以前のキャラもちょいちょい出てきて面白くなりそうかな。
読了日:10月20日 著者:成田良悟
続・終物語 (講談社BOX)続・終物語 (講談社BOX)感想
わかったような、わからないような…もやーっとした話でしたが、ひたぎとのイチャイチャでなんだかどうでも良くなった。それにしても、シリーズ通して見ても、いまだにあのカップルにしっくり来ないのは私だけなのかなあ? 最後にネクストシーズンとな!? どうなっていくのかな…
読了日:10月5日 著者:西尾維新,VOFAN
アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)感想
様々な出来事が複雑に絡まり合い、作中も視点と時間を行ったり来たり。やはり美しい作品でした。内容があまりにも悲しく未来が真っ暗なのではないかと思いながら読んでいましたが思ったような展開にならずに一安心。前作を思い出すのに一苦労、時代背景を調べるのにまた一苦労と読み始めは手こずりましたが2章の真ん中ほどからは一気に読んでしまいました。やはりこの方の作品がとても好きです。
読了日:10月1日 著者:皆川博子

読書メーター

新潮文庫nexという、新潮の新レーベルが9月から発売になったということで少し楽しみにしていました。
ジャンル的には、ライトノベルと一般文芸の間くらいのところになるそうです。
図書館で予約して借りたんですが、毎日図書館のサイトをチェックしていて偶然一番最初に借りられたので、すごくきれいな状態で読むことが出来ました。
でも、新潮文庫なのにスピン(栞の紐)がついていないのは少しショック。紙質もラノベとかの感じでありました。

内容ですが、総合病院を舞台にしたライトミステリ。
唯我独尊な感じで、でも案外カンタンに心が折れる童顔の天久鷹央と、彼女に振り回される主人公の小鳥遊優。
キャラの性格的には桜庭一樹著GOSICKの久城とヴィクトリカを思い出したりしてましたが、あんな感じ。
更に研修医の鴻ノ池と、キャラが立った人たちがわんさかと出てくるので楽しく読めました。
登場人物の名前も『たかなし』に対して『鷹央』だったりの遊びがあって面白い。

内容は短編をつないで1本の作品になっていました。
小学生が見たカッパの謎を解き明かす『泡』。深夜の病棟で看護師がみた人魂の謎を明らかにする『人魂の原料』。中絶した高校生がなぜかまだ妊娠している『不可視の胎児』。プロローグからつながる『オーダーメイドの毒薬』と、どれも楽しく読めました。
病院が舞台であっても重くなく、でも作者の方は元々お医者さんだそうで薬のことや病院のこと自体はリアルに描かれていてそれでいて読みやすい。
続きが出ることがあるのならばぜひ読みたいなと思える作品でした。

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1218ページ
ナイス数:47ナイス

特等添乗員αの難事件 V:5 (角川文庫)特等添乗員αの難事件 V:5 (角川文庫)感想
今までよりもコミカルで、まるでドリフのコントみたいだなと感じました。周りがゴチャゴチャしてるのも面白かった。次はまた海外を舞台にして欲しいな。
読了日:9月25日 著者:松岡圭祐
白ゆき姫殺人事件白ゆき姫殺人事件感想
湊かなえ作品は、今までも読もうと思いながら手が出せずにいました。そんなわけで、初めて読んだのですが……。びっくりしてしまいました。ひたすら独り語りが続き、視点が変わるとその人の見え方も変化する。女同士ってこういうところあるな、とか、田舎はこうだよなとか。私は城野美姫に同情し、三木典子に嫌悪感を覚えた。こういう女はたまにいるけど私も嫌いだ。それはそうと、後ろに参考資料があるので読みながら行ったり来たり。面倒だなと思ったりもしました。
読了日:9月20日 著者:湊かなえ
オーダーは探偵に 謎解き満ちるティーパーティー (メディアワークス文庫)オーダーは探偵に 謎解き満ちるティーパーティー (メディアワークス文庫)感想
キャラものとしては、かなり面白くなってきました。悠貴のかっこよさも増しててよかったし、主人公も前向きになって良いです。でも、ミステリとしてはちょっと…。警察の人が喫茶店で事件を話しちゃうのもどうかと思うし、事件が大きすぎる割に結末がお粗末かなと感じてしまいました。
読了日:9月18日 著者:近江泉美
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(2) (ファミ通文庫)吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(2) (ファミ通文庫)感想
今回も別チームの女の子が出てきてあれこれとかき回して行きました…題材のマイフェアレディも面白かった。細かいところだけど劇中台詞の中の「けど」がすごく気になってしまって、「けれど」にして欲しかったなと思いました。主人公がこのまま女の子を虜にし続けたらそのうち劇中劇で、金瓶梅とかやって欲しいな。
読了日:9月5日 著者:野村美月

読書メーター

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1890ページ
ナイス数:80ナイス

デュラララ!! 外伝!? (電撃文庫)デュラララ!! 外伝!? (電撃文庫)感想
読んだことがあるものもあったんだけど、すべてが少し過去に戻って懐かしい感じのする外伝だった。
読了日:8月21日 著者:成田良悟
言ノ葉ノ使い (ディアプラス文庫)言ノ葉ノ使い (ディアプラス文庫)感想
シリーズ3作目。『世界』と同じ時系列だということで…。あんまりこっちの世界観が表になってしまうと、1作目の二人の世界のほうがパラレルみたいで辛いなと思ったり。今作は主人公がまっすぐなタイプでどうかなぁと思っていたのですが、後半まっすぐだからこその怖さや、額田を助けたいという気持ちひとつで子供のふりをする場面が良かった。過去シリーズの中ではある意味一番怖いひとだなと思う。もうちょっと掘り下げてあったらよかったなとも思うけど。
読了日:8月16日 著者:砂原糖子
思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫)思い出のとき修理します 2 明日を動かす歯車 (集英社文庫)感想
解説を読みながら私が一生手元に置いておくものはなんだろう?と考えた時に思い当たったのが、祖母の形見の寄木細工のバレッタだった。もう壊れているけど私にとってはお守りみたいなものだ。普段は忘れているそういうものを思い出させてくれる、優しい本です。
読了日:8月16日 著者:谷瑞恵
万能鑑定士Qの謎解き (角川文庫)万能鑑定士Qの謎解き (角川文庫)感想
中国人が多く出入りする職場に務めていた頃、主張が増す度に大声になっていく彼らのやりとりの様子を尻目に日本人の私は日々うんざりしていました。国交の面でもこうした性質の違いが大きいのだろうなと思っているのですが、まさにそういった内容の一冊という感じ。現実もこんなに綺麗にまとまればいいのですが……。杉浦は『作者からネトウヨへの苦言』かなと感じました。現実に対してやや嫌味ったらしい部分があり辟易としますが話は面白かったです。特に途中の『読書の皆様へ』が(笑)。我々はいままで小笠原の記事を読んできたのか!と。
読了日:8月14日 著者:松岡圭祐
薔薇忌 (実業之日本社文庫)薔薇忌 (実業之日本社文庫)感想
小劇場や歌舞伎などの芸を舞台にした幻想小説の短篇集。埃っぽい地下室の壁は全面真っ黒に塗られ、中心に役者が立ち、周囲には色とりどりの花びらが舞っているような…そんな様子が思い浮かぶ作品郡でした。時代が、『過去と現在』ではあるものの、2014年にしてみればどれも過去なので、何時頃のことなんだろうかと想像しながら読むのもまた楽しい。
読了日:8月12日 著者:皆川博子
満願満願感想
「関守」だけ既読。昨年の夏に図書館で小説新潮に掲載されていたものを読んでいてうすら寒くなったのを思い出した。全体的にそういう話が並ぶ短篇集。米澤さんの作品は、気楽に読み始めて半分くらいまで読んだところで、結末の不穏さを感じて怖くなってしまうものが多い。そういう意味で嫌だなと特に思ったのば「柘榴」と「万灯」。読みやすくて内容も好みだったのは表題の「満願」かな。重治は妻に何を見ていたのか。
読了日:8月1日 著者:米澤穂信

読書メーター

たまにじっくり時間をかけて読みたくなる皆川作品。
今回もゆっくりじっくり味わいました。

こちらは、芝居をモチーフにした幻想小説7篇の短篇集。
タイトルでもある「薔薇忌」では、狭い部屋に人を閉じ込め、天井から薔薇の葩を降らせて窒息させる刑というのが出てきて、印象に残りました。
こちらの短編、出だしは小劇場の本番が終わったところから始まっているので、私にとってはとても身近な世界観。
ほとんど関係者も捌けた劇場での会話から、話は過去へと向かう。

他の作品も歌舞伎だったり歌手だったりして時代は多少前後しつつ、語り手も色々とかわりながらも、どれもこれも華やかでありながら腐敗したような、鮮やかな世界観のストーリーでした。
発表年は80年代後半から90年といったところ。
私の感覚的には、生まれてはいるけれど子供だったせいでイマイチ現実味が薄くて、どれも夢みたいに読めました。

ちなみに解説によると、最初の刊行は1990年6月(実業之日本社)。次に1993年11月に文庫化(集英社文庫)に続く2度目の文庫化なのだそうな。

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